東京五輪男子ゴルフ リーダーボード
2021年 東京五輪
期間:07/29〜08/01 場所:霞ヶ関CC(埼玉)
メジャー優勝より価値がある?「オリンピックメダル」の重み
◇東京五輪 男子3日目(31日)◇霞ヶ関CC東コース(埼玉県)◇男子7447yd(パー71)
国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が、霞ヶ関CCを訪れた大会3日目。チームジャパンの真っ赤なシャツに身を包んだ東京五輪 ・日本代表選手団の尾縣貢(おがた・みつぎ)総監督も、第3ラウンドスタート前の松山英樹のウォームアップを見つめていた。
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オリンピックでのゴルフ競技は、112年ぶりに復帰した前回のリオ五輪からこれで2回目。陸上や競泳といった“ザ・オリンピック”とでも呼ぶべき種目とは異なるが、「全然違和感はないですね」と十種競技・元日本王者の尾縣総監督はきっぱり首を振る。
「ゴルフは競技人口が多いし、年齢層も幅広い。ちゃんとやればスポーツ人口は必ず増えます。(今大会で新種目に採用された)スケートボードもこれからもっと広がっていくと思うし、これを見たら必ず良い方向に動きます」と断言した。
同日、リポーターとして松山のプレーをロープ外から熱い視線で見つめていた松岡修造さんも、リオ五輪で錦織圭選手が日本人として96年ぶりのメダル獲得(銅メダル)を果たしたとき「テニスをやる子どもたちがすごく増えたんです」と教えてくれた。オリンピックはゴルフやテニスといった競技の枠にとどまらず、より多くの新しい人々の目に触れる。1つの競技を活性化させる、絶好のチャンスでもあるのだ。
ゴルフの丸山茂樹ヘッドコーチはいま、その波をビンビンと感じている。「渋野(日向子)選手をはじめ、英樹や(畑岡)奈紗ちゃん、笹生(優花)選手が、みんなが忘れないうちに次々に優勝して、余計にこのオリンピックに対する期待が高い。それが今回、絶対本命だと言われている松山英樹がこの位置にいることで、さらに過熱している。僕は(メダルの)色は気にせず、メダルを獲ることでさらに加速するかなと思っています。まず、そのチャンスにいられることが本当にすごい」。3日目を終えて、松山は首位と1打差。最終日は最終組で、金メダルを目指してティオフする。
3日目にして、すでに多くの報道陣もゴルフ場へと駆け付けている。オリンピックのメダル獲得となれば日本ゴルフ界では初めてのこと。それが、次にいつあるか分からない自国開催での五輪となれば、その価値はさらに高まる。いざ、勝負の18ホールを見届けよう。(埼玉県川越市/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka