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2023年 BMW選手権
期間:08/17〜08/20 場所:オリンピアフィールズCC(イリノイ州)

“同じ”ウェアと“違う”クラブ 松山英樹がゴルフに注ぎ続ける全力

◇米国男子プレーオフ第2戦◇BMW選手権◇オリンピアフィールズCC(イリノイ州)◇7366yd(パー70)

プレーオフシリーズ初戦「フェデックスセントジュード選手権」の開幕前、松山英樹は1Wを3月から入れてきた「ZX5 Mk II」からロースピンモデル「ZX5 Mk II LS」にチェンジした。

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直前「ウィンダム選手権」での予選落ちから流れを変える意図があったのかもしれないし、日本から合流した黒宮幹仁コーチとの取り組みで、なにか変化があったのかもしれない。ただ、プレーオフ第2戦「BMW選手権」に進めるかどうかの瀬戸際。このタイミングでの変更に少し驚かされたが、「ビックリされることじゃないです、毎日変えているので」と返ってきた。

「また少しモデルが変わっただけですし、もしショットが曲がったとしても、それはクラブのせいじゃない」。あれだけ毎日いろいろなクラブを試しているのだから、そういうものかとうなずくしかなかった。

練習に打ち込む松山の後ろには、大抵14本以上のクラブが並ぶ。ほかの海外選手にはあまり見られない光景だ。ウッドとアイアン、パターも含めてモデル違いだったり、シャフトやヘッドの微妙なスペック違いだったりを毎日何本も打ち比べるが、本戦で投入するとは限らない。合うクラブを探すためだけでなく、今のスイングとクラブとの様々な相性を“実験”として楽しんでいるようにも見えた。

対照的に毎日変わらないのはウェアのデザイン。1週間を通して同じデザインの色違いで統一している。例えばプレーオフ初戦はボーダー柄のシャツで、開幕2日前から緑→水色→赤→青→紺→黄色と同じシリーズを通した。メーカー担当者によると、素材感の違いでスイングや体の動きの感覚を変えたくない…というこだわりがあるのだとか。本人が「特に理由はない」と受け流しても、細部にこだわって常にゴルフに全力を注いでいるのは見て取れる。

プレーオフ初戦、開幕前日に予定されていたプロアマが悪天候で中止となった。いったんコースを出たのち、雷雨がおさまると戻って2時間練習に打ち込んだ。「一生懸命プレーしていたら、いいことがあればと思う」。そう話して臨んだ週末、最後の最後で見せた追い上げも“ビックリされることじゃない”のかもしれない。

16位以内に入ってポイントを稼がなければ、第2戦には進めない状況。38位で迎えた最終日は終盤までスコアを伸ばせず苦戦したが、中断を挟んだ16番(パー5)から流れが変わった。残り197ydの2打目を6Iでピンに絡めてイーグルを奪うと、17番のバーディで進出をほぼ確実にした。

左ドッグレッグの最終ホールはティショットを右ラフに入れたものの、17番、18番と力強く振った1Wのボールスピードは、自身の平均170~173mph(約75.9968~77.3379m/秒)を上回る177mphと180mphをマーク。「3つ伸ばさないとチャンスはないと思っていた」という勝負の3ホールでアドレナリンを爆発させた。“ここぞ”という場面で発揮する力は、その場しのぎでは出せないはず。ボーダーラインに滑り込んだ粘り強さは圧巻だった。

フェデックスカップランキング47位で迎えた第2戦は、第2ラウンドのスタート前に背中痛で棄権。現役選手として最長となる、9年連続で出場していたトップ30による最終戦「ツアー選手権」の切符を逃した。「今シーズンが終わってしまうのは悔しいけど、オフにしっかりトレーニングして。幸いスケジュール的にも1カ月、丸々空くので」と話したが、“オフ”もゴルフにふける姿は想像に難くない。(イリノイ州オリンピアフィールズ/谷口愛純)

谷口愛純(たにぐちあずみ) プロフィール

1992年生まれ。社会部記者、雑誌の営業その他諸々を経てGDOに入社。ゴルフは下手すぎて2017年に諦める。趣味は御朱印集めと髪色を変えること、頭皮を想って最近は控えてます。

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