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2014年 全英オープン
期間:07/17〜07/20 場所:ロイヤルリバプール(イングランド)

スマートフォン解禁 デジタル情報とライブ観戦の相性は?

2014/07/18 22:24

1860年に第1回大会が開催され、今年で第143回を迎えた世界最古のオープン競技「全英オープン」。ゴルフ発祥のリンクスコースをかたくなにその舞台とし、歴史と伝統に彩られた大会だが、その一方で革新的、先進的な面も併せ持つ。その1つが、デジタル技術を駆使したギャラリーサービスだ。

06年大会から禁止されていたギャラリーの携帯電話のコース内への持ち込みは、12年に解禁された。毎年アップグレードされる「全英オープン」のスマートフォン用アプリでは、リーダーボードやペアリングの他、大会のライブ映像、大会独自とBBCによる2チャンネルのラジオ放送、ハイライト映像などを楽しめる。

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コースに関する情報は、各選手が今どのホールをプレーしているかがリアルタイムで分かるほか、各ホールの空撮映像や解説、スタッツも完備されている。そして、コース内には無料のWiFiネットワークが構築されており、誰でもネットワークにアクセスが可能。コース内への携帯電話の持ち込みが、ギャラリーだけでなくメディアに対しても禁じられている「マスターズ」とは対照的だ。

開幕前、大会を主催するR&Aのチェアマン、ピーター・ドーソン氏はこう説明した。「全英オープンに来場して体験できる素晴らしいことは、目の前で偉大な選手たちのプレーを観戦し、そのイベントの雰囲気を味わえること。その一方で、目の前でゴルフを見る行為の欠点は、コース内の他の場所で何が起こっているのか分からないということだ」。

だが、これだけの大ギャラリーが携帯電話を持ち込むことで、混乱は起きないのだろうか?「どのように(携帯電話が)使用されるかは、とても重要だ。私はゴルフファンが、目の前の選手の邪魔をしない、というポリシーを理解してくれることに確信を持っている」とドーソン氏は楽観視していたが、現実はやはり甘くはない。

大会初日にはタイガー・ウッズ組の回りで携帯電話の着信音がなったり、カメラのシャッターが切られたりということが頻発した。「みんなが写真を撮っていたし、それは1日中続いていた。何度も仕切り直しを余儀なくされたし、大勢の人たちが(ショットを打とうとする時にも)歩き回っていた。タフな状況だった」とウッズ。

2日目の朝、メディアセンターの各記者たちのテーブルに1枚の紙が配られた。大会実行委員長のジョニー・コールハミルトン氏による注意喚起の文書だ。

「大勢のファンが大会を訪れてゴルフを楽しんでくれていることに喜んでいる。多くの人々が初めて全英オープンを訪れていることも理解している。ギャラリーには携帯電話をマナーモードに設定し、大会中は写真撮影が禁止されていることを徹底していく」。

大会初日の木曜日だけで3.5万人が訪れたビッグイベント。週末に向けてさらにその数は増えていくだろう。それだけの大規模ギャラリーを教育し、マナーを徹底していくのも、「全英オープン」が取り組んでいる先進的な挑戦だ。(英国ホイレイク/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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