松山英樹 プレーオフ最終戦へ ホーシェルが第3戦制す
2014年 BMW選手権
期間:09/04〜09/07 場所:チェリーヒルズCC(コロラド州)
ホントに起こる下剋上!? ブービーからホフマンが最終戦へ
コロラド州のチェリーヒルズCCで行われた米国男子ツアーのフェデックスカッププレーオフ第3戦「BMW選手権」。最終日の公式会見場に足を踏み入れたのは優勝したビリー・ホーシェルともう一人、モーガン・ホフマンだった。
全4戦のプレーオフで、第1戦「ザ・バークレイズ」を迎えた時点ではフェデックスポイントランキングで、下から2番目の124位(出場は125位まで)だった25歳は、このサバイバルレースを、あれよあれよと通過していき、ついには今大会終了時点での上位30人だけに参戦が許される最終戦「ツアー選手権byコカ・コーラ」への出場権を手にした。
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デンバーでの最終日を4アンダーの10位で迎えたホフマンは、出だし2番でボギー先行も、直後の3番から2連続バーディ。5番ダブルボギーの後、6番から再び2連続バーディを獲り返した。11番(パー5)からは一気に4連続バーディ。17番(パー5)ではフェアウェイから残り250ヤードを2オンさせイーグルを奪取。これが決め手となり、通算11アンダー、次戦進出の最低条件とされていた3位でフィニッシュし、ランキングを21位に上げた。
「世界が僕のためにあるみたい。シーズン開始当初はアトランタに行くのを目標にしていたんだけど、今週はとにかくビッグスコアが必要だと思っていた」と笑顔が絶えないホフマンの、プレーオフ3試合におけるランキング浮上の経過は以下の通り。
■ レギュラーシーズン終了時/ポイントランキング124位
■第1戦「ザ・バークレイズ」(出場枠125)9位/ランキング72位
■第2戦「ドイツバンク選手権」(出場枠100)35位/ランキング68位
■第3戦「BMW選手権」(出場枠70)3位/ランキング21位
■最終戦「ツアー選手権byコカ・コーラ」(出場枠30)進出決定
今週は2日目を終えた段階では通算4オーバーの53位タイに位置していながら週末に「62」、「63」を叩き出した。36ホールにおける「125」ストロークは、今季のツアーベストスコア。「何も変えたことはなくて、ただただ週末はいいショットが打てて、パットも入った。ポジティブに考えて、同じスイングを心掛けただけ。(高地のため)普段よりも10%くらいはボールが飛ぶと言われていたけど、難しく考えずに、残りの距離から10%分の長さを引いて、それを信じて打ったんだ」
ちなみにホフマン、“下剋上”の経験はこれが初めてではない。2012年末、下部のウェブドットコムツアー最終戦で、週末に「67」、「64」をマークして、圏外から翌年のシード権獲得にこぎ着け、レギュラーツアー昇格へのきっかけとした過去がある。
10ミリオンドル(約10億円)獲得の可能性もある次週の戦いだが、最終戦出場を決めたことで翌年の海外メジャー「マスターズ」、「全米オープン」、「全英オープン」の出場権をゲット。それが何せうれしい。
ホフマンはオクラホマ州立大時代、リッキー・ファウラーとはチームメイトだった。
「スコアを提出してテントを出たら、リッキーが胸を小突いたんだ。彼と一緒にメジャーを戦えるなんて本当に最高だよ。ジュニアの頃から互いに競い合って育った仲だった。マスターズでプレーするのがずっと僕の夢だったんだ。ああ、待ち切れない!」
あきらめず、信念を曲げず、わずか3週の間にたちまち変えてみせた境遇。もう既に、アメリカンドリームのひとつは叶ったのかも。(コロラド州デンバー/桂川洋一)
桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw