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体調不良がアトムを襲う シーズン終盤戦に見た重永の“夢”

◇国内男子◇トップ杯東海クラシック 3日目(29日)◇三好カントリー倶楽部 西コース(愛知)◇7330yd(パー72)

「体調が悪いんで棄権します」。ふと気づいた瞬間、重永亜斗夢はツアー関係者に電話をかけていた。場所は熊本の自宅。隣の和歌子夫人も「やめた方がいい。無理をしないで」と心配してくれている。あれ…? おれは今週、名古屋にいたはずだった。「きのうの夜、おなかが痛すぎてそんな夢を見ちゃって。そのくらい気持ちが参っているんでしょうね…」と重永。

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試合が続く晩夏以降の季節は、タフな時間だ。国が難病指定する潰瘍性大腸炎を持病に持ち、シーズンを戦うストレスも相まって今週は体調不良が続いている。初日はラウンド中に4回、仮設トイレに駆け込んだ。

「きのうの夜がひどくて…」。例によってホテルでは下痢に襲われ、長時間をトイレで過ごした。パンひとつとビタミン剤がこの日の朝食だった。スタート前の練習場では「かがんで立ったら、立ちくらみがしそうなくらいだった」という。パワー不足を否定できない。「明らかに1Wショットが飛んでいない。例年はパー5も2打目でいけたはずが届かない」

だから、今週はパー5で“3打目勝負”と決め、短いクラブで打てる時にチャンスを作る。出だし、残り108ydの第2打をピン左2mにつけ、そこから3連続バーディ発進。ゼリー状の栄養補助食品で空腹感を収めた後半インは、9mが入った14番から2連続バーディを奪ってみせた。

雨の勢いが強くなった上がり3ホールでパーを並べたことに胸を張る。「この体調なら最高でしょう。(自分に)1000点くらい上げたいですよ」と「68」のスコアを超える満足感があった。

プロ初優勝を飾った4月「東建ホームメイトカップ」以来となる2勝目がかかる。首位とは1打差の3位につけたが、「今までが出来すぎです。おなかの中を考えながらやるしかない」。引き続き内臓の調子が勝負の鍵を握りそうだ。(愛知県みよし市/桂川洋一)

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