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「よりゴルフから学ぶようになった」34歳シンプソン世界トップ10に返り咲き

◇米国男子◇ウェイストマネジメント フェニックスオープン 最終日(2日)◇TPCスコッツデール(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)

圧巻のプレーだった。1打差を追って出たウェブ・シンプソンが、17番、18番、そしてプレーオフ1ホール目の18番と3連続バーディを奪い、トニー・フィナウに逆転勝ち。昨年11月の「ザ・RSMクラシック」では、タイラー・ダンカンにプレーオフで競り負けたが、「少しリラックスすることを学んだ」と、同じ轍を踏むことなく2年ぶりの勝利を飾った。

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昨シーズンの平均飛距離は、フィナウが9位(310.2ヤード)で、シンプソンは145位(288.6ヤード)。正規の18番では、366ヤードをかっ飛ばしたフィナウがパーだったのに対し、3Wで堅実にフェアウェイをとらえたシンプソンがバーディで追いついた。プレーオフでも、正規の18番の1打目、2打目とほぼ同じ位置から、バーディを繰り返した。

シンプソンには彼なりの戦い方があるようだ。飛距離に対する考え方もその1つ。

「3年前にトレーナーを雇って、飛距離を伸ばす努力はしているんだ。でも、とても慎重にやっている。なぜなら、精度、正確さ、飛距離のコントロールは、つねに自分の強みであったし、飛距離がない僕にとっては、そうでなければならないから。なので、とてもゆっくりとやっていて、この2年で0.6(メートル毎秒)から0.9くらいヘッドスピードはあがったよ。でも、それを一瞬ではやりたくなかったんだ。良い部分を、自分の場合はいつもフェアウェイキープ率だけど、無くしたくなかったから」。

「それに、PGAツアーでは出る試合を選ぶ贅沢が許されている。とても素敵な贅沢だね。だから自分は、あまり勝つチャンスがないと思う場所からは、意図して少し距離を取っている」。

一見、地味にみえるシンプソンのプレーだが、メジャー優勝を含むツアー6勝の実績は、この思考力に裏打ちをされているようだ。2012年以来となる世界ランクトップ10に返り咲いたシンプソンは、8年前との違いをこう評している。

「角が取れてきたというのかな。経験を積んで、たくさんのことを学んできた。数年前、不安定なプレーをすることに疲れて、もっと安定したプレーヤーになろうと思ったんだ。だから、自分の弱みを見つめて、たとえ2位や30位、もしくは予選落ちだろうが、試合から学ぶようにした。よりゴルフから学び、自分を学ぶようになって、それが役に立っている」。

かつては、アンカリング禁止の1年以上前に、自身が使っていた長尺パターを折って、退路を断ったこともある。それも、速く先に進むための彼なりの戦略だ。34歳のシンプソンが、円熟味を増してきた。(アリゾナ州スコッツデール/今岡涼太)

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