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革靴はずぶ濡れに アーノルド・パーマーの視線の先/海外ゴルフ回顧録

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、各国で大規模イベントが中止や延期に追い込まれた2020年。プロゴルフも例外ではなく、選手たちの熱戦を見られない期間が続いています。自粛ムードが漂うなかではありますが、再開のときが来ることを信じ、ゴルフカメラマンの厳選写真で世界のゴルフに思いを馳せます。(JJ田辺カメラマン)

ホストトーナメントへの熱意

毎年3月に行われるPGAツアー「アーノルド・パーマー招待」はその名の通り、メジャー通算7勝のレジェンド、アーノルド・パーマーがホスト役となってトッププレーヤーを迎える大会です。かつて「フロリダシトラスオープン」として始まり、「ベイヒル招待」などの名称を経て、2007年に冠に名前が入りました。

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会場はフロリダ州オーランドの南西にあるベイヒルクラブ&ロッジ(1974年以降)。ペンシルベニア州出身のパーマーは現役時代、ここを拠点にしました。写真は2005年大会、大雨のため中断した初日午後の様子です。

雨が上がり、再開を待ったパーマーは自らコースチェックに出向きました。当時75歳。18番ホールのラフにカートを止めてフェアウェイを歩き、大きな水たまりに入っていきました。熱心に排水作業を行うスタッフに声をかけながら芝の状態を確認し、選手がいつプレーできるものかと思いをめぐらせます。その足元はビニール製の長靴ではなく、いつもの革靴…。ズボンの裾をたくし上げながら、ずぶ濡れになったのも気にせずに次のホールの様子を見に行きました。

現役を退いてからもプレーヤーとファンに寄り添い、ゴルフ界の発展に寄与したキング。2016年9月に天に召されました。

JJ田辺
福井県出身。ニューヨークを拠点にゴルフカメラマンとして活動する。1991年に渡米し、大学卒業後の96年から米国のゴルフ場で勤務した。98年からゴルフカメラマンとして、PGAツアーやLPGAツアーを撮影。現在は年間30試合以上を取材。

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