南アフリカ出身のダッフィーは米下部ツアーを主戦場にしている※撮影は2020年「プエルトリコオープン」(Jared C. Tilton/Getty Images)

◇米国男子◇ワークデイ・チャリティオープン 3日目（11日）◇ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)◇7456yd（パー72）

オハイオ州コロンバスの12日（日）は悪天候の予報。全体のスタート時間が大幅に早められ、単独首位のジャスティン・トーマス、追うビクトル・ホブラン（ノルウェー）、コリン・モリカワは午前9時1分にティオフする。8位タイの松山英樹は同8時28分、同じ組にはチェイス・セイフェルト、そしてドタバタでこの日急浮上した31歳が加わった。

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南アフリカ出身のM.J.ダッフィーは今大会がPGAツアー出場2試合目。現在は下部コーンフェリーツアーが主戦場で、月曜予選会を突破してきた。この日は前日第2ラウンドの未消化ホールからスタートし、最終9番でバーディを奪って通算2アンダーのカットライン上で通過。「もうヘトヘト。きのうは（悪天候による中断中に）ずっと座って待機して、夜9時までプレーして、寝て起きて…」というタフな状況にもめげず、直後に行われた第3ラウンドでベストスコア「65」をマークした。

「ゴルフは不思議なもの。バンカー越えの（難しい）ロブショットを打つしかないなんていうときほど、うまくいったりする。バーディを獲らなくちゃいけないときに限って、数字に集中して惜しいショットになったりもする」

南アフリカ出身。11歳のとき、父と兄、そしてレティーフ・グーセンとプレーする機会に恵まれ、人生が変わったという。母国の英雄は直後の2001年、04年に「全米オープン」を制覇。ダッフィーは将来の自分を重ねて渡米し、テキサス州のラマー大で腕を磨いた。ところが2012年のプロ転向後なかなか芽が出ず、15年の半ばまで「うつ病のような状態だった」という。14年には義母が道端でマンホールにつまずいて転び、自動車に引かれて死亡する悲劇もあった。

再起を目指して、下部ツアーに初めて年間10試合出たのが昨年のこと。「長い道のりだった。どんなことが起こっても自分のいる場所を受け入れるし、すべての出来事には理由があって、そうなる必要があるように思う」。世界ランクは現在1373位。コース外の経験もプレーに生かすべく前向きに取り組んでいる最中だ。

おそらくはこれまで手にしたことがないような大金がかかる最終日も「お金のことは考えていない。ミネソタ（2週後の「3Mオープン」）に行けるようにトップ10に入れたらいいな。とにかくパーオンを続けて、どうなるかだ」と静かに意気込んだ。