「ミス」でもスーパーイーグル 松山英樹はショット充実でメジャーへ
2020年 WGCフェデックス セントジュード招待
期間:07/30〜08/02 場所:TPCサウスウィンド(テネシー州)
即席コンビで逆転Vのトーマス ウッズとニクラスに次ぐスピード記録
◇世界選手権シリーズ◇WGCフェデックス セントジュード招待 最終日(2日)◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇7277yd(パー70)
ジャスティン・トーマスは、同じ4打ビハインドから優勝を飾った2016年「CIMBクラシック」とこの日を重ねていた。「自分のプレーに集中して、獲れるだけバーディを獲る」。前半だけで4つ伸ばす中、13番ティまでリーダーボードには目もくれなかった。「ファンがいなかったことも(結果として戦況が見えず)良かったのかもしれない。ゾーンに入ったような感じだった」と持ち前の爆発力を発揮し、「65」で今季3勝目をつかんだ。
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とはいえ、ティショットが乱れた後半はピンチの連続。2打目がバンカーのふち近くに突っ込んだ12番では、左足だけバンカーに入れ、きつい左足下がりのライから目の前の土手に当て、何とかボギーでしのいだ。15番では刻みにいって引っかけたが、トラブルを覚悟したボールは左サイドを横切るクリークを越えてラフに落ち、グリーンは目の前だった。
「キャリアでも指折りのラッキーだった。(2017年に勝った)PGAチャンピオンシップでもそうだったけど、勝つときには、えてして起きることだ」。運を味方にサンデーバックナイン最初のバーディを奪い、首位に立っていた昨年大会覇者のブルックス・ケプカを捉えて逆転につなげた。
エースキャディのジミー・ジョンソン氏が酷暑に見舞われた2週前の「ザ・メモリアルトーナメント」大会中に体調を崩し、今週もバッグを担ぐことができなかった。その「メモリアル」ではスイングコーチを務める父・マイクさんを急きょ代役に立てたが、「この暑さの中、4日間は無理だよ。パパはキャディの体型じゃないんだ」。相棒と父を気遣い、声をかけたのがフィル・ミケルソンのキャディを長く務めた、愛称「ボーンズ」ことジム・マッケイ氏だった。
「ジミーは最高の相棒だが、残念ながら今週はいない。ボーンズはフィルのキャディのときだけでなく、テレビのリポーターとしても僕のゲームを見ていて、よく知っているからね。それでも、この短期間でうまくいくかは五分五分かと思っていた。ボーンズは素晴らしい仕事をしてくれた」と、もう一つの幸運に感謝した。
2018年の前身大会「ブリヂストン招待」に続く世界選手権シリーズ(WGC)2勝目で同年6月以来の世界ランキング1位返り咲きを果たした。27歳3カ月4日での通算13勝到達は、タイガー・ウッズ(23歳9カ月24日)、ジャック・ニクラス(25歳2カ月21日)に次ぐ史上3番目のスピード記録となった。
「素晴らしいね。これまでは幸運にもいいキャリアを積むことができたが、これからも長くプレーしていくつもりだ。まずは来週のPGAに向けて準備をして、2個目のメジャータイトルを獲りにいくよ」。達成した快挙をかみしめつつ、世界ナンバーワンとして再びマッケイ氏とのコンビで臨む次戦「全米プロゴルフ選手権」(カリフォルニア州TPCハーディングパーク)に視線を向けた。