「全米オープン」組み合わせ&スタート時刻
2020年 全米オープン
期間:09/17〜09/20 場所:ウイングドフットGC(ニューヨーク州)
故郷がハリケーン被害「帰った方が…」 バッバ・ワトソンの葛藤
◇メジャー第1戦◇全米オープン 2日目(18日)◇ウィングドフットGC(ニューヨーク州)◇7477yd(パー70)
「きょうは念のために帰る準備もしていたんだ。飛行機はキャンセルして、(上位で戦って)日曜日の夜遅くに帰宅することになればいいんだけど」。ブライソン・デシャンボー、松山英樹とともにこの日3人だけのアンダーパーとなる「69」で通算1オーバー12位に浮上したバッバ・ワトソンは神妙な顔つきで言った。
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マスターズ2勝の個性派レフティも、「全米オープン」は過去6年で5度の予選落ち。帰路のチケットを手配したのは相性の悪さを自覚しているから、ではなかった。「水曜日、妻に『家に帰った方がいいかな』とメールしたんだ」。ハリケーン「サリー」が米南部を直撃し、ワトソンが生まれ育ったフロリダ州バグダッドを含むペンサコーラ一帯も甚大な被害を受けた。
2016年に再び地元で暮らし始めてから地域の病院に210万ドルを寄付し、ダウンタウンでキャンディとアイスクリームの店、自動車販売店、ゴルフ練習場をオープン。米マイナーリーグ球団の共同オーナーとして名を連ねるなど、故郷の枠を超えた深いつながりがある。
2軒目の家と広大な土地を所有するウェストバージニア州が「1000年に一度の規模の大洪水」に見舞われたときは、救援活動に25万ドルを寄付し、自ら清掃活動に加わったことも。
「ゴルフはあくまでゴルフ。人生はそれよりも大切なものだから」。戻りたい気持ちは募ったが、「妻が家を守ってくれている。いまは大変な家の状況よりも、この難しいゴルフコースに集中する」と腹をくくった。
最終18番でダブルボギーフィニッシュも、首位とは5打差。「ことしは世界中の誰にとってもクレイジーな一年だった。いまも僕の故郷をはじめとするハリケーンの被害など、大変なことがたくさんあるけど、できる限り戦い続けるつもりだ」。強い気持ちで週末の36ホールに臨む。