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2023年 ソニーオープンinハワイ
期間:01/12〜01/15 場所:ワイアラエCC(ハワイ州)

40年前の興奮は冷めず 青木功が中継席から見つめた「ソニーオープン」

◇米国男子◇ソニーオープンinハワイ 最終日(15日)◇ワイアラエCC(ハワイ州)◇7044yd(パー70)

この1月から新たにPGAツアー中継をスタートしたBS放送局「BSJapanext」の放送スタジオに座った青木功は、月日の流れに思いをはせた。

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「私が勝ったとき、家でテレビにくぎ付けになっていた父親を見て、何事かと思って(その場を離れられず)学校に遅刻したらしい。そして『あんなふうに勝ちたい』と思ってプロの扉を開いたそうだ」。晴れてプロゴルファーとなり、そんな幼少期のエピソードを青木に伝えたという横尾要も昨年7月に50歳になってシニアデビューを迎えた。

青木が日本人初のPGAツアー優勝を飾った1983年「ハワイアンオープン」から40年が経とうとしている。今回、ともに解説を務めた評論家の佐渡充高氏も記憶をたどれば言葉が自然と熱を帯びる。「(仕事で)会社に行かなきゃいけないんだけど、これを見逃したら一生後悔すると思って、その場を一歩も動けませんでした」

1980年の「全米オープン」でジャック・ニクラスと“バルタスロールの死闘”を演じた青木に佐渡氏はもちろん、日本のファンは夢を託した。「青木さんなら近い将来に勝ってくれる」――。3年後、ラフからの3打目をPWで放り込んだイーグルの幕切れは想像を超えていた。「アメリカ人も、みんなビックリしていた。翌日の新聞の見出しは『Eagle has landed(鷲は舞いおりた)』だったんです」。人気だった戦争映画のタイトルがそのまま見出しに使われるほど、劇的なフィニッシュだった。

昨年大会では松山英樹がプレーオフで鮮やかなイーグルを決め、アジア勢最多に並ぶツアー8勝目を挙げた。今年はソニーがタイトルスポンサーを務めて25周年。青木は「スポンサーあってのプロゴルファー」という思いを新たにしつつ、松山だけでなくスポット参戦した日本人選手のプレーをじっと見つめた。

PGAツアー初出場で予選を通過した蝉川泰果について「決め打ちしているから、いいときと悪いときがはっきりしちゃう」と指摘したのは期待の裏返しだ。「私が海外に行ったのは30歳を過ぎてから。まだ若い。初めてのPGAツアーでイケイケだから、夢中でやるのは仕方ない」

今月11日に22歳になったばかりの蝉川らには、前のめりの気持ちを崩さず経験を積み重ねることを願う。「先に結果ばかり求めれば苦しくなる。『どんなコースでできるんだろう?』『どんな技術を求められるんだろう?』という好奇心、興味を持って行ってくれたら、引き出しが多い選手になれる」とエールを送った。

若手の貪欲なトライが第一人者である松山の背中を押すことにもなると信じている。「みんな米国でずっと頑張っているヒデ(松山)を見て、追いつけ追い越せじゃないけど、そう思ってやっているだろう。ヒデも期待されて『オレがやらなきゃ』と重荷に感じるのではなく、自分のペースでやっていってほしい。若い子たちが追いかけてきたら、気が付く(ことで自然と刺激になる)ものだから」

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