クラレットジャグ持参で来日 夢がかなったザンダー・シャウフェレ
2024年 ZOZOチャンピオンシップ
期間:10/24〜10/27 場所:アコーディア・ゴルフ習志野CC(千葉)
ザンダーお前もかっ!ボールのディンプルに「●」印 そこで打つのはなぜ?
◇日米ツアー共催◇ZOZOチャンピオンシップ 事前(23日)◇アコーディア・ゴルフ習志野CC(千葉)◇7079yd(パー70)
ザンダー・シャウフェレのクラブ撮影中、ボールを見て気づいたことがあった。マジックで黒い線が引かれていることに加えて、線の端のディンプル部に丸い点がマークされていたのだ。この点は意図的? ただの識別マーク? ちょうど1カ月前、川崎春花にボールの小さなディンプル部で打つと入る確率が上がるという話を聞いたが、まさかシャウフェレもやっているのだろうか…。いろんな想像が膨らんだが、ひとまずその場にいたシャウフェレのキャディ、オースティン・カイザー氏に話を聞いてみた。
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「彼はいつもその黒い点で打つようにしているんだよ。点はボールの中心にあるディンプルを選んで記していて、そこで打てれば一番フラットに当てられる。ボールの転がりが良くなるんだ」と解説。ボールの中心のディンプル? フラット? 一体どういうことだろうか。そもそも球体のボールにフラット(平ら)なところなどあるのだろうか。「ディンプルに対して、例えばアウトサイドからフェースが当たれば、転がりが悪くなる。一方で真正面から打てれば、ディンプルとフェースが正面衝突して出球も真っすぐいく。マークをつけた点がボールの中心のディンプルなので、そこで正面衝突できれば出球も狙ったところに行きやすく、さらに転がりもスムーズってわけさ」
つまりカイザー氏の言うところは、頂点にあるディンプルの凹凸の凹部分の継ぎ目に対して斜め(例えばアウトサイド)からヘッドが入れば、出球も転がりも安定しない。正面からヘッドが入れば真っすぐいくということだ。むむむ、ボールの中のしかも1ディンプルに及ぶ話、細かすぎないか…。
カイザー氏は解説をしながら、線を引いて実演。新しいボールをバッグから取り出すと、手際よくボールにある2つのキャロウェイのロゴスタンプの番号と番号間にあるディンプルを選び、マジックで穴を塗りつぶして点を記した。そこから器具を使いながら真っすぐの線を引いていく。ボールを地球に見立てれば、まずは北極を探して黒い印をつける。そこから南極に向かって最短の線を引くというイメージだ。
「サイドスタンプ(『CHROME TOUR・』と入る部分)上にちょうど線が来るのがいいけど、毎回そうなるとは限らないからね。元々は線だけしか描いてなかったんだけど、1年前から点を入れるようになったんだ」とカイザー氏。点を入れるようになった理由について、「パターコーチの発案なんだけど、線に点を加えたほうがクインテック(パッティング計測器)で測ってもデータがいいんだ。ロール(転がり)が良くなった。ブライソン(・デシャンボー)もやっているって聞くしね」と明かす。「本当に小さなことだし、どのぐらいパッティングの支えになっているか分からないけど、この点があることでのザンダーの心理的な影響は大きいと思うよ」
練習グリーンでは、実際にシャウフェレが曲がるラインの練習中だった。見ていると、打つ前にボールの線をターゲットに対して必ずセット。線を合わせるたびに、ボールに描かれた黒い点がフェースの芯と向き合っていた。練習後のシャウフェレに話を聞くと、「安定感のあるセットアップができるように、線と点を描くようにしているんだ。線をターゲットに合わせて、線と点に対して赤いヘッドの白いラインを合わせる。それだと見た目でも分かりやすくて、毎回同じように構えられるからね。そして毎回点で打つように努力しているよ。そこがボールの中心だからね」
うーん、パッティング向上にはボールのディンプルまで考えねばならないのか。今年、メジャーを2つ勝った選手の言動にはとても説得力がある。(千葉県印西市/服部謙二郎)