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2012年 マスターズ
期間:04/05〜04/08 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)

松山英樹、“ルール”知らずに2年連続の予選通過

ジョージア州のオーガスタナショナルGCで開催中の「マスターズ」2日目。松山英樹が「74」で回り、通算1オーバーの31位タイで2年連続の決勝ラウンド進出を果たした

1アンダーの14位タイから出た松山は序盤にバーディを先行させた。3番でフェアウェイからの第2打をピン奥1メートルにピタリ。丁寧なプレーを続け中盤へ差し掛かった。ところが6番(パー3)で第1打を左に曲げて初のボギーをたたくと、9番でトラブル。フェアウェイからの第2打をグリーン左手前に落とすと、ショートゲームのミスが相次ぎ4オン。1.5メートルから3パットをたたき、痛恨のトリプルボギーとしてしまった。

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しかし後半インでは、アジア最強アマの芯の強さが際立つ展開となった。11番では右の林からパーセーブ。難関16番(パー3)ではティショットをピン左2メートルにつけてバーディ。さらに続く17番では右の林から残り188ヤードの第2打を5番アイアンで強烈なスライスをかけてピン右4メートルにつけるスーパーショットを見せ、2連続バーディとする。最終18番を前日に続いてボギーとしたが、2年連続で見事予選を突破した。

ところが、驚きの“騒動”はこのあとだった。実は松山はプレー中、重大な勘違いから自らにプレッシャーをかけ続けていた。

マスターズでは予選2日間を終えて44位タイまでに入るか、トップと10打差以内の選手が決勝ラウンドに進出できる。現在首位タイのジェイソン・ダフナーフレッド・カプルスは通算5アンダーとなり、今年は通算5オーバー57位タイまでの63選手が予選通過となった。

しかし当の本人は、この“トップと10打差以内”のルールを、なんと知らなかった。プレー中に試合展開を見据えながら「カットラインは(通算)1オーバー、悪くても2オーバーかな、と思っていた」。つまり、ホールアウトした段階では、松山自身はボーダーライン上にいると思い込んでいたのだ。もちろん周囲は余裕の通過を確信していたにも関わらず・・・。

テレビのインタビューを受ける直前、中継用のモニターを目にして「あれ?通った?」と目を白黒させた。「去年もそうだったんですか?」という報道陣への質問に、思わず周囲は大笑い。「ルールを知っていたら?もっとラクにやっていました。15番(パー5)も、17番もセカンドでグリーンを狙っていなかった」。昨年ツアー初優勝を果たした「三井住友VISA太平洋マスターズ」でもバッグを担いだ小林キャディによれば、終盤は同大会の優勝争いと同じくらい、何度も水を要求。それほど緊張感は高まっていた。

ようやく重圧から開放され「(ルールを)知らなくて良かった、というのもある」と安堵の表情。今大会に出場した6人のアマチュア選手のうち、予選を通過したのは松山のほか、いずれも通算5オーバー57位タイのパトリック・カントレーケリー・クラフトの2人。2年連続のローアマチュア獲得に現在最も近い位置にいる。しかし「ローアマと言うより、来年の出場権が欲しいんで。あと4つくらい伸ばせれば、可能性はあると思う」と目標は変えない。自ら背負った極度のプレッシャーからは解放された。残り2日間はさらにアグレッシブなプレーを見せつける。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)

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