米国期待の若手ジョーダン・スピースが最年少出場を果たす（Sam Greenwood/Getty Images）

プレジデンツカップでジョーダン・スピースと同じ組みになりたいのは誰か？それは彼以外の米国チームのロースター11名を見れば簡単に答えが見つかるだろう。

誰もがスピースのダンスカード（舞踏会に於けるダンス相手の予定表）に名を連ねたいと思っているのだ。

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来週オハイオ州ダブリンのミュリフィールド・ヴィレッジで行われるインターナショナルチームとの4ボール、または4選手での戦いで、20歳の彼とペアを組む可能性があることについて、他の選手たちが夢中になって喋っているのを聞く限り、少なくともそう思える。

「誰が彼と組みたくないなんて思うんだい」とスティーブ・ストリッカー。「恐らくチームの誰もが彼と組みたいと思っているだろうね」と続けた。

特に何の地位もないまま今季の米国ツアーをスタートしたスピースは、19歳の若さでジョンディアクラシックを優勝し、82年間に及ぶツアーの史上最年少ウィナーに輝くと、フェデックスカッププレーオフ出場権を手にし、シーズン最後まで素晴らしい戦いを見せた。先週行われたツアー選手権byコカ・コーラでは、最終日に6アンダーの「64」でラウンドし、フェデックスカップで優勝したヘンリック・ステンソンに続く2位タイで大会を終えた。スピースはプレーオフのポイントを、ツアーのルーキーとしてはこれまでの最高位となる7位で終えた。

フレッド・カプルスによる2人のキャプテン選出の一人となったことにより、スピースは来週のプレジデンツカップを史上最年少のアメリカ人選手としてプレーすることになる。

スピースを米国チームの一員とするとカプルスが発表した際、同時にペアを決定するのは通常、選手自身であるとアナウンスされた。

プレジデンツカップここ2大会で、キャプテンとして米国チームを優勝に導いているカプルスは、「ペアリングは、ピタッと収まるように簡単に決まるんだよ」と述べ、「選手たちが誰と組みたいか言ってくるから、それをもとに組み合わせるんだ」と加えた。

残念ながらカプルスにとって、2009年の米国チーム以来、最も魅力的な“ジョーダン”であるスピースの組み合わせを決めるのは、そう簡単には行かないだろう。そう、その年、アシスタント・キャプテンの一人としてカプルスを支えたのは、バスケットボールの伝説的選手であるマイケル・ジョーダンだったのだ。

あのジョーダンはバスケットボールをダンクしたが、今度のジョーダンはスラムダンクばりのアプローチショットを叩き込む。

「ジョーダンと一緒にプレーする選手は本当に運がいいと思う。なぜなら彼は沢山バーディを奪うからね」と語るフィル・ミケルソン。「あいつと一緒にプレーするとワクワクすんだよ」。

「もちろん一緒にプレーしたいですよ」とジェイソン・ダフナー。「彼は今、最高のプレーをしていますから」。

それもそのはずだ。出場したここ10試合、彼はジョンディアクラシックで優勝し一躍その名を轟かすと、他の4大会でベスト4入りという成績を収めている。

スピースは、フェデックスカップでのここ12ラウンドをトータル34アンダーで回っている。それには、ドイツバンク選手権の最終日の「62」はもとより、イーストレイクでの最終日の「64」も含まれ、この他にも「65」を一回、「66」を一回、「67」と「68」は二回ずつ出している。

「思うに、若く自信を持ってプレーする若手には、常に引き寄せられがちなんだ」とウェブ・シンプソンは述べた。「恐怖心など持ち合わせていないんだ。彼は最近のラウンドで数多くのバーディを獲得しているからね。なぜ僕らが彼とプレーすることを臨んでいるかを説明するのは簡単だよ」と付け加えた。

カプルスは来週まで組み合わせの発表を行わないわけだが、様々な可能性について考えているのは間違いないだろう。「最近は、フレディーが頻繁に電話をかけてきては、いくつかの組み合わせについて彼の考えを話していたんだ」とタイガー・ウッズは述べ、「幾つかのオプションがあるんだけどね」と付け加えた。

スピースの若さを考えると、カプルスがベテランを組み合わせるという予測は容易に成り立つ。ベテラン選手は、スピースが冷静さを保つ上での手助けができ（そもそも二十歳そこそこの選手とは思えない落ち着きを払うスピースには不要な気遣いかもしれないが）、スピースは若者ならではの迸る情熱でこれに応えることができるからだ。

去年のライダー・カップで、ミケルソンがキーガン・ブラッドリーとペアを組み3勝をあげた事も記憶に新しい。ブラッドリーも「彼がベテラン選手と組むことは大いに考えられるね」と、スピースについても述べている。?「自分がライダー・カップでプレー経験豊富なフィルと組んだように、大きな手助けを得る事ができるからね」と付け加えた。

しかし、全てのプレジデンツカップに出場してきたミケルソンは、スピースとペアを組むべき選手はストリッカーが良いと考えている。?そして、「彼らが一緒にプレーする可能性は高いと思うよ」と述べた。

BMW選手権まで、ストリッカーとスピースの2人はあまり接点がなかった。しかし、コンウェイ・ファームでの一戦を控え、ストリッカーはスピースと一緒に練習ラウンドを回ることを持ちかけた。そして、大会前の火曜と水曜の2日間、練習ラウンドを共にしたのである。

46歳のストリッカーがスピースと共鳴するのに、あまり時間はかからなかった。
そのストリッカーは、「彼の良いチームメイトとなれれば良いね」と述べると、「彼は良い青年だからね」と加えた。
一方で、ザック・ジョンソンも候補の一人だと言える。

最近出場した8戦のうち7戦でトップ10入りを果たし、そのうちのBMW選手権では優勝するなど、ジョンソンはアメリカ人選手の中で最も波に乗っている。ジョンディアクラシックではプレーオフの末、スピースに敗れたジョンソンだったが、その後、この二人はメールで連絡を取り合っている。ウィンダム選手権で予選ラウンドを共にプレーした2人は、ツアーチャンピオンシップへ向かう飛行機でも一緒になった。そのジョンソンも「スピースには感心させられるばかり」と彼について述べているのである。

「天才というと大袈裟かもしれませんが、それに近い存在だとは思いますよ」と付け加えた。

「いいヤツですしね」

立場的に考えると、スピースはチームの一員となれただけでハッピーに違いないわけだが、もし彼にパートナーとして意中の選手がいるとしても、それを公にするほど世故に通じていないわけではない。

「パートナーを持つ事ができるのは、それだけで素晴らしい時間になると思います」と、カプルスともメールで連絡を取っているスピースは述べた。「まだ誰と組むかは知らされていません」。

若者よ、心配ご無用だ。ただ、ダンスの準備を怠ることなかれ。