石川遼が描く2019年の構想 フラッグ販売などファンサービス継続へ
スタート前取材で緊張? 石川遼は後半に巻き返し8位
フロリダ州のベイヒルクラブ&ロッジで開催中の米国男子ツアー「アーノルド・パーマーインビテーショナル」3日目。5アンダーの10位タイから出た石川遼は4バーディ、2ボギーの「70」で回り、通算7アンダーの8位タイで最終日を迎えることになった。
ムービングデーの喧騒は序盤、石川の体を硬くした。好位置で迎えた土曜日。練習場に向かうと、現地中継用のテレビインタビューのオファーを受けた。手慣れた英会話でそつなくこなしたが「こっち(米国)では初めてだった。ちょっと違う雰囲気があった。難しい日になりそうかな?と朝から思っていた」と、笑顔の裏では少なからず不安を感じでいた。
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悪い予感は的中する。ショットが散り、第1打を右に曲げた3番で、今大会で初めてボギーが先行。さらに予選ラウンドでは2日連続で攻略していた4番(パー5)でもバーディを獲れず、苦しいスタートとなった。
しかし5番でグリーン左奥からのアプローチを寄せてパーを拾うと、6番(パー5)では10メートルのバーディパットが決まり安堵の笑み。ショットが不安定な状態でも「今までの自分とは2打違う」と、我慢の先の“ご褒美”に自信を掴んだ。
そして「ほぐれてから良くなった」という後半に挽回のエンジンがかかった。11番で奥のカラーから6メートルを沈めると、左のセミラフから第2打を花道まで運んだ12番(パー5)、3.5メートルを沈めた13番と3連続バーディ。最終18番では周囲を木に囲まれた右ラフからの第2打を3番アイアンでスライスをかけてグリーンを捕えパーセーブ。手前の池を恐れないショットに周囲は大きく沸いたが「スライスしなければ左のバンカー方向に行くだけ。充分打てる」と、計算しつくされたショットで上位にしがみついた。
最終日を残し、首位アダム・スコットとの差は8打と小さくない。しかし「内容的には2オーバー、3オーバー。良くこのスコアで上がれた。明日にすごくつながる」と耐え抜いた自分に納得している。
そして4月の「マスターズ」出場を目指し、今月末の最新世界ランクで50位以内入りを狙う石川は、今大会で単独2位になれば、他選手の動向次第で、ランキングは83位から最高で54位まで浮上する見通し。「優勝争いはアダム・スコットのプレーにかかっている。そういう意味で自分は自分のプレーに集中できる」と静かに、目標へ邁進する。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)