松山英樹が19年初戦へ アマチュア・金谷拓実は米ツアーデビュー
2014年 ザ・メモリアルトーナメント
期間:05/29〜06/01 場所:ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)
松山とスコットが交わしていた約束
オハイオ州にあるミュアフィールドビレッジGCで行われた米国男子ツアー「ザ・メモリアルトーナメント」の最終日。最終組の1組前でプレーした松山英樹と進藤大典キャディのコンビは、同組アダム・スコット(オーストラリア)のキャディ、スティーブ・ウィリアムスから「チャンピオンズグループはこの組だね」とウィンクを受け、スタートしていた。
このやり取りには伏線があった。前週、テキサス州フォートワースで行われた「クラウンプラザインビテーショナル」。直前に世界ランク1位となったスコットはこの大会に急遽参戦を決めていた。ともに上位陣を追い上げる立場で決勝へ進んだ同大会3日目の前夜のこと。進藤キャディの携帯にウィリアムスから「僕たちは(この試合に)急にエントリーすることになったんだ。明日、コースで会おう!」と1通のテキストメールが届いたという。
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それは、昨年の「全英オープン」で練習ラウンドを共にし、「プレジデンツカップ」で3日間4マッチに渡ってペアを組んだ同志から、今週はまだ会えていなかったことを気遣っての挨拶だった。
結局、クラウンプラザでは「明日は最終組で一緒に回ろう」と誓い合い、2人とも優勝争いには加わったものの、同組は実現せず…。ただ、最後に優勝カップを掲げたのはスコットだった。「約束は果たせなかったけど、勝ったのは“僕ら”だったね」。
そんな経緯があって迎えた今大会最終日での同組優勝争いだった。バックナインでスコットは戦線から脱落したが、松山が16番でダブルボギーを叩いてピンチに陥ると、2人は「次にバーディを獲ろう!レッツゴー!」と声をかけてきたという。
プレーオフ進出を決める18番バーディの後、松山はスコットと、進藤キャディはウィリアムスキャディと、グリーン上でがっちりと握手。交わした会話は確認するまでもないだろう。73ホールに及んだ激闘も、決して孤独な戦いではなかった。(オハイオ州ダブリン/今岡涼太)