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2014年 ドイツバンク選手権
期間:08/29〜09/01 場所:TPCボストン(マサチューセッツ州)

1メートルから3パット2回 2ダボにめげず松山英樹が復調の8バーディ

「今年で一番の感覚」。胸を張ってそう言った。マサチューセッツ州のTPCボストンで行われている米国男子ツアーのフェデックスカッププレーオフ第2戦「ドイツバンク選手権」2日目。2オーバーの65位タイから出た松山英樹は8バーディ、2ボギー、2ダブルボギーの「69」(パー71)で回り、通算イーブンパーの44位タイで決勝ラウンドに進んだ。

予選カットライン、ギリギリからのスタート。インから出た松山は序盤11番から2連続ボギーを叩いて早々に後退したが、待ちに待った復調の時が訪れたのはその直後だった。

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「15番で良いショットを2回打って、パットも決めることができて、すごくリズムよくプレーができた」。ドライバーでフェアウェイをきっちり捕え、バーディパットはここ数試合でことごとく外してきた2.5メートルを沈めた。続く16番(パー3)では4メートルを決め2連続バーディ。さらに折り返しの18番(パー5)からは一気に3連続としてアンダーパーの世界に足踏み入れた。

痛恨のミスは後半3番(パー3)、そして6番。グリーンサイドからのバンカーショット、アプローチを1メートル弱に寄せながら、ミスが相次ぎ、いずれも3パットのダブルボギーを叩いた。再び予選通過ラインが気になる通算3オーバー。「3番のダボはそんなに気にしなかったんですけど、6番はさすがに…効きましたね…」

しかし、ここからが眠っていた松山の真骨頂。7番(パー5)、グリーン右手前からのアプローチを2メートルに寄せ、続く8番(パー3)は第1打を9番アイアンでピン手前2メートルにピタリ。さらに最終9番では右ラフからの第2打で、ショットの直前にギャラリーの携帯電話が響いて仕切り直しを強いられたが、集中力は途切れず9番アイアンでピンそば1メートルにつけた。土壇場からの圧巻の3連続バーディフィニッシュに「途中からいい感じで振れていましたし、その中でミスをしても、今年で一番いい感覚が出たと思う。パットも久々に入って、気分良くプレーできました」と満足感を漂わせた。

この2日目は強い風がコースを旋回。松山も何度も空を見上げ、木々の動きを確認した。だがその難コンディションも受け入れる準備が整っていた。「状態が良ければ、ミスをしても風のせいにできる。でも(最近は)それ以前の問題の方が多かった。今日くらいのショットが打てれば、自分以外のせいにもできます」

各会場のボランティアが呆れるほどに練習場に居残る日々を経て、トンネルに差し込んできた光。「明日、明後日で試合の中でスイングの感覚がずれないようにやっていきたいと思います」。トップとの差8ストロークが、そう大きくないことを感じさせるには十分なプレーだった。(マサチューセッツ州ノートン/桂川洋一)

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