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4週で2度の惜敗 勝利に飢える松山英樹「大事なところでダメ」

サンデーバックナインに浮かんだ希望は一瞬にしてその光を失った。松山英樹が終盤のまさかの失速でツアー通算2勝目を獲り逃した。アリゾナ州のTPCスコッツデールで開催された米国男子ツアー「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」。10アンダーの2位から最終ラウンドをスタートすると、後半に一時単独首位に立ちながら、ブルックス・ケプカに逆転負け。「67」の奮闘むなしく通算14アンダーの2位に終わった。

3日間トップを走ったマーティン・レアード(スコットランド)との差は3つ。ティオフするなり、松山は唸り声を上げていきなり駆け出した。残り128ydの2打目をロフト50度のウェッジでカップに放り込みイーグル発進。フェアウェイで両手をひろげて歓声を一層大きくすると、3番(パー5)で2.5m、5番で4mと立て続けにバーディ。5ホールで4つスコアを伸ばす猛攻で首位に並んだ。

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ところがレアードとトップで並走しながらも、ホールを進めるごとに首をかしげるシーンが増えた。「スタート(1番)はビックリした。いい感じで前半ハーフはプレーできた。それでも1回もいいショットが打てなかった」。13番(パー5)、グリーン奥からの3打目をピンそば80cmに寄せたバーディで単独首位に立ったが、直後に足を取られた。

14番、奥から下りの12mのバーディパットを2mショートし、3パット。2日目の同ホール以来、45ホールぶりのボギーですぐにリードを失った。続く15番(パー5)ではティショットを右ラフに打ちこみ、パーを取るのがやっと。イーグルとしたケプカ、バーディのレアードを追う立場に転じた。

1打ビハインドで迎えた最終18番、左のフェアウェイバンカーから作った6mのバーディチャンス。プレーオフ進出をかけた269打目はカップの手前で右に垂れた。「ラインも違ったし、打ち切れなかった。すごく残念」。優勝者のウイニングパットを待つ間、一瞬苦笑いを浮かべてから、白いキャップを手に取り、口元の震えを抑えるように空を見上げた。3週前の「ヒュンダイトーナメントofチャンピオンズ」に続く惜敗。「まだまだ練習が足りない。自信を持って試合に臨めていない。大事なところでのプレーがまだまだダメ」と、思いを必死に言葉にした。

2日前には一時、予選落ちの危機に瀕していた。その後の見事な巻き返しへの評価も、今はまだうまくできずにいる。「いいショットがなかった。それでもこの位置で終われたのは、自分自身成長したのかなとは思うけれど…勝ちたいですし…。経験は、次に勝ったときに活かされたと思える。早く勝てるように練習したい」

トーナメントウィークのギャラリー数はのべ56万3008人。大観衆の前で、4位に終わった昨年に続く惜敗はまた、勝利への飢えを一層激しくする。よくやった?惜しかった?獰猛な怪物は、ねぎらいの言葉を必要としなかった。(アリゾナ州スコッツデール/桂川洋一)

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