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悩めるアプローチ…ウッズは練習場でもミス連発

「ファーマーズインシュランスオープン」開幕前日の4日(水)、早朝のドライビングレンジは異様な雰囲気に包まれていた。霧の影響で約2時間遅れたプロアマ戦のティオフ前、タイガー・ウッズの打席の後方に人だかりができたのだ。

ウッズの神々しいオーラに触れようとする人々ではない。ウッズが見せるアプローチショットをおもしろがる人の群れだ。ウェッジで放つチッピングが、ちっとも安定しない。芝を噛んだり、ボールがトップしたりと、人だかりの中のささやきは驚きに満ちていた。

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新コーチのクリス・コモがそばについていたが、隣の打席で打っていたツアープロ仲間、ビリー・ホーシェルパット・ペレスらが、その輪に加わった。“意見交換”か、それとも“レッスン”か。スマートフォンで動画を撮影し、その場で画面を覗き込む姿も、ティオフの前であれば異例のことといえた。あのウッズが腑に落ちない表情で輪の中心にいた。

ウッズは昨年8月の「全米プロゴルフ選手権」を最後に戦列を離れ、12月に自身のチャリティ試合「ヒーローワールドチャレンジ」でカムバックしたが、その時からアプローチミスが相次いだ。前週、ツアー競技に復帰した「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」でも改善は見られず、2日目にプロ転向後ワーストの「82」を叩いて最下位で予選落ち。本人は、アプローチ不振の原因は、現在取り組んでいるスイング改造の影響と説明している。

前週末は電話にも出ず、コーチと2人で特訓に勤しんだという。前コーチのショーン・フォーリーと作ってきたスイングの時とは、クラブのリリースの方法が異なり、新しい形を成熟させている最中。「僕はいつでも前に進んでいる。我慢してやりつづけなければならない。難しい週になるだろう。ラフは長いし、北コースがいつもよりグリーンが速くてびっくりした」と話した。

現段階で3月の世界選手権シリーズ「WGCキャデラック選手権」への出場権がなく、照準は4月のメジャー初戦「マスターズ」に絞っている。「これもプロセス。取り組んでいることをモノにして、オーガスタに向けて準備したい。そして他のメジャーへも」。我慢の時間だ。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/桂川洋一)

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