松山英樹が19年初戦へ アマチュア・金谷拓実は米ツアーデビュー
2015年 WGC キャデラックマッチプレー
期間:04/29〜05/03 場所:TPCハーディングパーク(カリフォルニア州)
終盤5ホールで強さを発揮 松山英樹の次戦は因縁対決
怪物が牙をむいたのは、終盤のわずか5ホール。それだけで、オランダのジュースト・ルイテンを退けるには充分だった――。カリフォルニア州サンフランシスコにあるTPCハーディングパークで行われた「WGCキャデラックマッチプレー選手権」の2日目、松山英樹は2ダウンとなっていた14番から、上がり5ホールであれよという間に逆転勝ち。最終18番(パー5)はイーグルでけりをつけ、2アップでルイテンに引導を渡した。
松山は「疲れましたね」と苦笑したが、それは晴れやかな疲れだったに違いない。
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ショットの乱れから1番(パー5)と3番でボギーを喫し、序盤で2ダウンとなった。対するルイテンは、1Wで確実にフェアウェイをキープして、グリーンセンターに載せてくる作戦。ミスを最小限に抑え、相手に付け入る隙を与えない。松山は決定的なチャンスを作れず、13番までパーがスコアカードを埋めていった。
だが、松山は冷静だった。「あまり攻めてこなかったので、その分こっちがバーディを獲れば、1つは戻せると思っていた」。
念願の初バーディが来たのは14番。残り185ydを7Iでピン上1.5mにぴたりとつけ、グリーンを外したルイテンとの差を1つに縮めた。「気持ち的にはさほど(変化はなかった)。でも、1個戻せたので、残り4ホールあればもう1個は戻せるかなと思っていた」。
松山のショットがキレを見せ、ルイテンが乱れ始めたのはそれ以降。15番はルイテンがラフ、バンカーと渡り歩く間に、松山はピン上1mにつけてバーディとし、マッチはオールスクエアへ。16番は先に4mのバーディパットをねじ込むと、ルイテンの2mはカップを抜けて、ついに松山が1アップ。17番を引き分けると、ドーミーとなった18番(パー5)はフェアウェイから245ydを4Iで3mにつけ、イーグルフィニッシュで鮮やかに振り切った。
苦しい中盤をじっと耐え、終盤の勝負どころで怒涛の攻め。貫禄すら感じさせる戦いぶりに「マッチプレーでなかなかこういう勝ち方がなかったので、良かった」とうなずいた。
予選ラウンドでグループ唯一の2連勝を飾った松山は、1日(金)に決勝進出をかけて1勝1敗のケビン・ナと対決する。勝てば、文句なしに決勝へ。松山が負け、ルイテンがアレクサンダー・レビ(フランス)に勝てば、松山、ナ、ルイテンが2勝1敗で3人が並びプレーオフ決着となる。松山とルイテンがともに負ければ、ナが決勝に進出する。
「ある意味、英樹を応援していた」とナ。「今朝、会ったときにグッドラックと言ったんだ」。今年から新しくなった予選ラウンドの形式では、他者の結果次第で自分の運命が左右される。結果的には願いどおり、ナは最終日にチャンスを残したことになる。
ナは、松山がPGAツアーで初優勝を飾った昨年の「ザ・メモリアルトーナメント」でプレーオフを戦った相手。そのとき、松山は正規の18番で1Wのシャフトが折れたため、13本のクラブで臨んだが、今回はきっちり14本をキャディバッグに入れて戦える。(カリフォルニア州サンフランシスコ/今岡涼太)