2016年 マスターズ
期間:04/07〜04/10 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
13番ホールは伸ばすべき?ジャック・ニクラスが示した案
「マスターズ」が行われるオーガスタナショナルGCの13番(パー5)が510ydでプレーされるのは、今年が最後になるのだろうか?同クラブが、13番ティグラウンド奧に隣接するオーガスタCCと用地買収交渉を進めているという報道が、さまざまな憶測を呼んでいる。
“アザレア”と名付けられた13番は、左サイドからグリーンの手前にクリークが流れる、左ドッグレッグのパー5。近年は多くの選手が2オンに成功するなど、スコアを伸ばしやすいホールとなっている。
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昨年の平均スコアは「4.546」で、対パーにすると最も簡単なホールとなった(1976年には平均スコア「5.0420」とオーバーパーを記録していたのだが…)。この“対策”のひとつとして出ているのが、コースの用地拡大計画に関する報道だ。
そんな中、ジャック・ニクラスは5日(火)に行われた記者会見でこのホールの将来について4つの案を提示した。
(1) パー4にすればいい。彼ら(オーガスタナショナルGC)はそうすることはできても、実際にはしないだろうが。
(2)現在、提案されている通り、隣のオーガスタCCの土地を買ってティを下げる。オーガスタCCが土地を譲るかは別問題として。
(3)グリーンを30ヤード後ろに下げる。充分な土地もあるし、多分、簡単に同じグリーンを作れるだろう。
(4)左サイドのクリークを埋めてもっと木を植え、フェアウェイ方向へせり出させる。(ティショットをより右サイドに打たせるようにする)
伝統重視の視点に立てば「距離を伸ばして他はなにも変えないのが最善だろう」というニクラスだが、最後に付け加えたのはある持論。
(5)“馬鹿みたいに飛ぶ”今のボールを変えればいい。
「ゴルフボールの進歩に伴ってコース改良を続けられる資金的余裕があるのは、世界中でオーガスタナショナル以外にはないから」と付け加えた。
翌6日、公式会見を行ったオーガスタナショナルGCのチェアマン、ビリー・ペイン氏は、さっそく、13番ホールをどうするかと問わると、「まだなにも決断はしていない。いくつか考慮を続けているホールの1つで、今はホールについて学んでいるところだ」と回答した。
ちなみに今年、オーガスタナショナルGCは歴代チャンピオンのみが使うことを許されるチャンピオンズロッカーを、フィル・ミケルソンの言葉を借りると“2倍広く、2倍素敵に”改修した。来年はメディア用ビルディングも「世界で最も素晴らしいメディア施設」に建て替える予定だとペイン氏は言う。
進化を続けるオーガスタ――。だが、ベストホールの呼び声高い13番の改修に関しては、より慎重な判断を下しそうだ。(ジョージア州オーガスタ/今岡涼太)