最後にうなり声…V逸7位の松山英樹「自分にあきれた」
2016年 マスターズ
期間:04/07〜04/10 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
7位フィニッシュ 世界はマツヤマをどう伝えたか
日本勢として初の「マスターズ」制覇へ向け、2打差3位からの最終日追い上げが期待された松山英樹は、4バーディ、3ボギー1ダブルボギーの「73」とスコアを落とし、通算イーブンパーの7位で大会を終えた。海外でも、戦前から「優勝候補」の一角として注目が集まった大会。世界はマツヤマの戦いをどう伝えたのか?
ダニー・ウィレット(イングランド)の優勝が決まった約1時間半後、毎年大特集を組む現地紙『オーガスタクロニクル』の電子版は「松山英樹はグリーンジャケット争いでつまずく」との見出しで、スコアの出入りが多かった前半9ホールで優勝が遠のいた松山の最終ラウンドを報じた。
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「10、13番のバーディで一時は3打差まで盛り返したが、残りホールでパーを並べ(GDO編注・バーディを奪えず)空回りした」
オーガスタクロニクルは3月の時点から、「今季初優勝で自信を充てんした松山英樹」を見出しに記事を掲載し、優勝候補の一角として注目。5位に浮上した2日目以降は松山を単独で連日記事化し、最終日の朝には「3位タイの松山英樹 マスターズで新たな到達点を目指す」と紙面を大きく割いた。
米4大ネットワークの一つCBSはウェブサイトで、同じく7位で終えたソレン・ケルドセン(デンマーク)と松山の名前を並べ「トップを狙える位置まで健闘したが、そこで終わってしまった」と、あと一伸びに欠けた戦いを評した。
ほかに最終日当日の報道では、速報ページを開設していた米FOXがAP通信を引用して「2打差でスタートした松山とベルンハルト・ランガーを覚えている? スタートからスコアが荒れてリーダーボードから滑り落ちた」と前半終了時点で途中経過を報道した。
ウィレットの母国・英国の『ガーディアン』も速報ページで、ティショットが木に当たってショートしダブルボギーとした6番(パー3)について詳報。「松山は後退した」と記し、大きく天を仰ぐ松山の写真を掲載した。
前日は、「日本人初」「アジア人初」のマスターズ制覇が、海外メディアの間でも話題となり、注目度が一段と高まっていた。AP、ロイター、AFPの海外大手通信社はこぞって、松山が「今の日本の男子ツアーは、女子ツアーに比べると人気がない。僕がここで優勝すると見方も変わってくると思うので、頑張りたいです」と語ったマスターズ優勝への思いなどを配信した。
辛口の記事が多いことで知られる『ニューヨーク・ポスト』(電子版)は、「あまりなじみのない選手たちが、有名な大会で優勝のチャンスをつかんだ」と書き出す記事で、スマイリー・カウフマンと並べて松山の健闘を記した。
「ヤングガン(若き大物)」と松山を表現した米『ゴルフダイジェスト』誌(電子版)は、松山が2014年「ザ・メモリアルトーナメント」を制した際、大会ホストのジャック・ニクラスが「この若者は多くのトーナメントを勝つだろう」と語ったエピソードを紹介し、松山自身もその言葉に後押しを感じているとする記事を、大きな写真とともに掲載していた。