練習中に談笑する青木功と松山英樹。日本人選手のメジャー初優勝の夢が託されている

ペンシルベニア州のオークモントCCで16日（木）に開幕する「全米オープン」。米ツアーを主戦場とする松山英樹には、日本勢初のメジャー制覇の期待がかかる。今大会には、10位に入った2013年から4年連続4回目の出場。今年は2月の「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」でツアー通算2勝目を飾り、4月の「マスターズ」でも最終日に最終組のひとつ前で回り7位、と実績を積み上げて臨む大会だ。

メジャー大会では2014年の今大会から8試合連続で決勝ラウンドに進出中。米ツアーのフェデックスカップランキングでは13位（賞金ランク10位）、世界ランクは15位につけている松山を、米国メディアの多くも優勝候補の一画に据えている。

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毎週「パワーランキング」として優勝候補の番付を発表している米ツアーの公式ウェブサイトPGATOUR.COMの評価では11位。全米オープンを中継するFOXスポーツは4位などなど…。以下に、米国メディアの優勝予想と松山評価をまとめてみた。

PGATOUR.COM By Rob Bolton

（1）ジェイソン・デイ（2）ロリー・マキロイ（3）パトリック・リード
松山英樹／11位
「彼らしくない惨めな結果、予選落ちに終わったミュアフィールドビレッジ（メモリアルトーナメント）以来の出場。素晴らしいボールストライキング（ショット精度）で、全米オープンでは2度のトップ20を含み、過去3度の出場はいずれも決勝ラウンド進出を果たしている」

Yahoo！スポーツ（米国） By Ryan O'Sullivan

（1）ジェイソン・デイ（2）ロリー・マキロイ（3）ジョーダン・スピース
松山英樹／10位
「世界ランキング15位にいるこの日本人は、ここにいるほかの選手に比べて、一般人に向けた商業的なアピールには乏しい。しかしながら彼は、今週、世界的なエリート選手になるための十分なパワーと精密さを兼ね備えている」

FOXスポーツ By Chris Chase

（1）ジェイソン・デイ（2）ダスティン・ジョンソン（3）ロリー・マキロイ
松山英樹／4位
「24歳の日本人の優勝オッズは33倍と、タイガー・ウッズと同等の評価を受けている（編注：ウッズ欠場決定前の評価）が、優勝候補筆頭グループの外から、オークモントで歴史を作る可能性がある。日本人選手がメジャーを制した例はこれまでなく、アジア人を通じても勝ったのはY.E.ヤンだけ（2009年全米プロ）。松山はフェニックスで優勝し、メジャーセッティングのマスターズ、ザ・プレーヤーズ選手権では7位。彼の飛距離は抜群というほどではないが、（勝つためには）十分といえる。オークモントではどのパー4でも確実に2オンができるだけの距離は必要だが、ここは9年前に（飛距離がさほど出ない）ジム・フューリックが惜敗の戦いを演じたコースだ」

ゴルフチャンネル By Will Gray

（1）ロリー・マキロイ（2）ジェイソン・デイ（3）ダスティン・ジョンソン
松山英樹／10位
「日本の天才はいま、米ツアーでのベストシーズンの真っ最中。フェニックスでの優勝を含め既に5回のトップ10入りを遂げた。パターの状態に疑問が残るものの、メモリアルの前までは、速いグリーンを征服し、ストローク・ゲインド・ティ・トゥ・グリーンのスタッツ（スコアメークにおけるショットの貢献度を示すスタッツ）も6位につけている」

これらのほか、ブックメーカー「GOLFodds.com」では6月13日（月）時点で、3倍のマキロイ、7倍のスピースを頭にしたランキングで、松山はアダム・スコット（オーストラリア）、ヘンリック・ステンソン（スウェーデン）らと並ぶ8番人気（30倍）。

米「ゴルフダイジェスト」誌では、9人の隠れた有力選手（9 Sneaky U.S. Open Picks）と紹介されている。デイ、スピースらには劣る評価だが、「日本のスターはティからグリーンにかけてのショットの勝負で、全米オープン優勝への道筋を作ってきた。同大会では過去3度の出場で予選落ちがない」という寸評。ストロークス・ゲインド・アプローチ・トゥ・ザ・グリーン（スコアに対するグリーンを捕らえるショットの貢献度）で3位にいるスタッツ等を用い「これが、彼がツアーのバーディ率で全体の3位につける理由」とした。

いずれのメディアも、シーズンを通じて残している安定した成績と、ショット精度の高さを示す数字を根拠に高く評価しているようだ。（ペンシルベニア州オークモント／桂川洋一）