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「技術だけじゃない」石川遼は曲げても曲げても2アンダー

◇米国男子◇バルスパー選手権 初日(9日)◇イニスブルックリゾート&GCカッパーヘッドC(フロリダ州)◇7340yd(パー71)

「なんでこのスコアが出たのか分からない」という石川遼の率直な振り返りは、本人も気付かない成長の証しなのか? 林やラフを渡り歩きながら、初日を4バーディ、2ボギーの「69」で回った石川は、2アンダー暫定24位の好位置で滑り出した。

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スタート前の練習場。短い番手のクラブから打ち始めて1Wまで来ると、腰から腰の高さのハーフショットを繰り返した。1Wのフルショットはわずか3球ほど。その球も大きな放物線を描いて右方向へと消えていった。だが、見ているものたちの不安をよそに、石川は、意を決したようにスタートティへと向かっていった。

スタートホールの10番は、3Wショットを右の林の中に曲げた。佐藤賢和キャディは「怖くて目を閉じていた(苦笑)」というシチュエーションだったが、低い球で木の幹と上空の枝の間の狭い空間を抜いて花道まで運ぶ。アプローチをミスしてボギー発進としたものの、続く11番(パー5)は、3Wの2打目をグリーン右の深いラフへと入れたが、そこからロブショットで2mにつけてバーディとした。

良いショットと悪いショットが入り乱れた序盤。「意外とラフの方が振り切れているのかなと思う。あまり自分を縛らないというか、許容範囲が広くなる。その分、開き直れている気がする」という。1Wショットを左ラフに入れた18番では、グリーンに向けて打ち上げとなる残り182ydに6Iを強振。「結構ギリギリだったし、“頑張った感”はある。ああいうショットはいい」とピンをかすめて2mへ。この日2つ目のバーディを自賛した。

折り返した後半は、3番で4m、4番で2mを沈めて連続バーディ。1Wショットを右の林に打ち込んだ6番では、5Iで上空の枝の間を通してグリーンオンさせてパーセーブ。最終18番も、ガードバンカーから寄せた3mのパットをカップに沈め、後半はボギーなしの2アンダーにまとめてみせた。

「技術的にはうまくいかなかったけど、ゴルフはそれがすべてじゃない。なんとか頑張って、いろいろ考えて、冷静な判断とか風の読みとか、そっちの方がうまくいった」と淡々と振り返った。ラウンド後はすぐに練習場へと向かい、ショット修正に勤しんだ。だが、本人も好きだと自認するイニスブルックでの18ホールで、この日得た教訓も少なくないはずだ。(フロリダ州パームハーバー/今岡涼太)

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