全米OP出場権まで1カ月 トップ60位の争いは?/男子世界ランク
2017年 RBCヘリテージ
期間:04/13〜04/16 場所:ハーバータウンGL(サウスカロライナ州)
“ユーチューバー”ブライアンが初勝利 マキロイと曲芸共演も
◇米国男子◇RBCヘリテージ 最終日(16日)◇ハーバータウンGL(サウスカロライナ州)◇7099yd(パー71)
首位から5打差以内に12人がひしめいてスタートした混戦の最終日を“トリックショット名人”が勝ち抜いた。4打差を追った27歳のウェズリー・ブライアンが6バーディ、2ボギーの「67」をマークし、通算13アンダー。2位のルーク・ドナルド(イングランド)を1打差で振り切って、ツアー初勝利をマークした。
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ブライアンは2016年の下部ウェブドットコムツアーで3勝を挙げ、年間最優秀選手に輝いた逸材。「悪いショットも多くて、リカバリーで何とか持ちこたえた。バックナインはすごく緊張した」というが、初参戦のレギュラーツアーで今年2月からすでに3度のトップ10入りを果たし、着々と初優勝の準備を整えていた。
地元サウスカロライナで、プロツアー出場の経験もある父が運営するゴルフアカデミーで英才教育を受け、サウスカロライナ大を卒業した2012年にプロ転向。その存在を先に有名にしたのは、キャリアではなく「YouTube」だった。
ウェズリーは2歳年上の兄でプロゴルファーのジョージと協力し、ゴルフボールとクラブを使った曲芸を動画共有サイトで次々と披露。ウェッジでの“リフティング”に始まり、パートナーが浮かせたボールを直接打ちぬく1Wショット、ボールを壁に跳ね返らせるアプローチといった、まるでピンポン玉で遊ぶかのようなトリックショットが話題を呼んだ。
開設した「Bryan Bros Golf」は大人気。ロリー・マキロイ(北アイルランド)とも共演した。ミニツアーや下部ツアー参戦当時は、動画で得た収入が転戦費用になった。この日の表彰式でも司会者が「最後にひとつ何か、トリックショットを…」とリクエスト。クラブが手元になかったため生披露はできなかったが、すでに多くの人の知るところだった。
故郷での優勝を「小さい頃、『これはヘリテージでのウィニングパットだ…』なんて夢を膨らませていたんだ。最高の体験になった」と喜ぶブライアン。サウスカロライナ州で生まれ育った彼だが、2012年にはヒルトンヘッドから北西へ約230km、ジョージア州オーガスタに住居を構え、医師助手を務めるエリザベス夫人と暮らしている。1年後、「マスターズ」が地元のユーチューバーを待っている。(サウスカロライナ州ヒルトンヘッドアイランド/桂川洋一)