5年ぶり通算80勝 タイガー・ウッズ“復活”への軌跡
1打届かず惜敗のウッズ「前進している」 1680日ぶりVはお預け
◇米国男子◇バルスパー選手権 最終日(11日)◇イニスブルックリゾート&GC(フロリダ州)◇7340yd(パー71)
最終18番。“入ればプレーオフ”になった12mのバーディパットをショートさせたタイガー・ウッズは、パターのヘッドを手ではたいて悔しがった。首位に1打差から逆転優勝を狙った日曜日に2バーディ、1ボギーと静かなゴルフで「70」。優勝したポール・ケーシー(イングランド)に1打が届かず、通算9アンダーの2位タイでフィニッシュした。
<< 下に続く >>
スタートの1番(パー5)で2オンからバーディ発進したウッズはその後、セカンドショットとパッティングで苦しんだ。「きのうよりもアイアンショットが冴えていなかったから、堅実にグリーンをとらえていった」という作戦は、“仕上げ”のところで成就しなかった。4番(パー3)をボギーとすると、7番、8番(パー3)、後半14番(パー5)など立て続けに3m前後のチャンスを外す。
ガックリと肩を落とし続けて迎えた17番、ようやく決まったバーディパットは13mのフックライン。別のホールで電光掲示板を観ていたギャラリーも、1打差に迫ったウッズに大声援を浴びせた。
2013年8月の「WGCブリヂストン招待」以来、1680日ぶりのタイトルこそつかめなかったが、最終局面まで勝利の可能性を残したことに、ウッズは「惜しかった。チャンスはあった」と話した。
「僕のゲームは前進していると確信している。(2週前の)ザ・ホンダクラシックで作った土台を微調整して、それを体現できた。特に(ショットの)ミスをしても、行ってはいけないところには行かせなかったことに一番満足している」。4日間のパーオン率は66.7%と高くはなかったが、ボギーは7つ。2日目以降はいずれも1つずつに抑えた。
赤いシャツに黒いパンツ。お馴染みの姿で、かつての強さの片鱗を見せつけたウッズを、タンパの会場はこの日、スタンディングオベーションでたたえた。
次週はかつての拠点だったフロリダ州オーランドでの「アーノルド・パーマー招待」に出場。過去8勝を誇るベイヒルクラブ&ロッジに5年ぶりに帰る。「あしたはクラブを握らずに、休んで頭を整理しようと思う。パーマーが亡くなる直前、僕は腰痛で出られなかったのが残念だったけれど。子どもたちも生まれた思い出の場所だ」。本当の意味でのカムバックは、きっともうすぐだ。(フロリダ州パームハーバー/桂川洋一)