最後のファイヤーストーン 松山英樹が連覇を狙う
2018年 WGCブリヂストン招待
期間:08/02〜08/05 場所:ファイヤーストーンCC(サウス)(オハイオ州)
松山英樹「1年経つのは早い」 連覇へ不安の開幕前
◇世界選手権シリーズ◇WGCブリヂストン招待 事前情報(31日)◇ファイヤーストーンCC(オハイオ州)◇7400yd(パー70)
周囲をあっと言わせた戦いぶりは、本人に大きな自信をもたらしたはずだった。松山英樹は前年、2打差を追った最終日にコースレコードに並ぶ「61」をマークし、後続に5打差をつける圧巻の優勝を飾った。ただこの1年、松山のツアー通算勝利数は「5」から動いていない。
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2週前の「全英オープン」まで、スコットランドで2戦連続の予選落ち。グラスゴーから拠点のあるフロリダ州オーランドに戻った週末は、気持ちが限界近くまで落ち込んでいた。リンクスで得たはずの好感触が、米国で練習を再開すると失われていた。「気分が乗らない。難しい」。タイガー・ウッズが優勝争いを演じた全英のテレビ中継も見たいと思わなかった。スマートフォンも触る気がしなかった。
前週日曜日(7月29日)から当地で調整をはじめ、悪天候だった開幕2日前はラウンドには出ず、練習は打ち込みにとどめた。初日と2日目に2014年大会王者のロリー・マキロイ(北アイルランド)との同組が決まった後、午後に公式会見に出席し「今、自信があるところはひとつもない」と公言した。
「去年まではショットが安定していて、パターが入れば上位に行けるという状態だった。今はまずショットを一生懸命練習しているところ」と、今も土台作りを継続している最中。「1年がこんなに早く経つと思っていなかった。去年の最終日にあれだけいいプレーができたから、(この1年で)1勝くらいはできているんじゃないかと自分の中では思っていたんですけどね。そうは、うまくはいかない」
前年大会は初めて実戦で使用したパター(テーラーメイドのTP コレクション ミューレン プロトタイプ)が冴えた。久々に今大会は持参した。ピン型のエースパター中心の練習が続いているが、初日までにスイッチする可能性もあるという。ただし、「10本くらい持ってきたから、10択です」だそうな…。
自分への期待は少ない。ただ、1年前もそうだった。好位置で迎えた最終日の朝のドライビングレンジで、一緒に出場していた谷原秀人が話しかけるのを躊躇したほど、松山は不機嫌だった。それがコースに出ると突如「61」。今の状態では「無理だ。飛距離もそんなに出てない。(去年は)何が起きたんだろう…。自分でもわからない」と遠い目をしたが、今年も何が起きるか誰もわからない。
「4日間パープレーだったらいいくらい。4日間で1日でも良ければ、気分良く来週(全米プロゴルフ選手権)に行けます」。ハードル設定はまだ低め。日曜日の午後にはどうなっているか。(オハイオ州アクロン/桂川洋一)