ウッズがマイアミで更に一歩抜け出す
2013年 WGC キャデラック選手権
期間:03/07〜03/10 場所:TPCブルーモンスターatドラール(フロリダ州)
タイガー、もう1つのWGCタイトルへ視界良好
By Brian Wacker PGATOUR.COM
誰もがタイガー・ウッズはもう「檜舞台」から降りるべきだと思っていたかもしれないが、ウッズはまだ栄光を手放すつもりはないようだ。TPCブルーモンスターで輝きを放つことに大忙しなのだから。
「WGCキャデラック選手権」3日目を終えた時点で、タイガーは24のバーディを記録し、2位以下に4打差をつけて最終日に臨む。
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PGAツアーでタイガーが2位に3打差以上をつけて最終日を迎えたことは、過去に15度あったが、その15試合すべてでタイガーは勝利を手中に収めている。
そのうち3度はここTPCブルーモンスターで、1度は優勝している。ここまでの好調から判断すると、ウッズが4度目の躍進をしないとは考えにくい。
歴史もタイガー有利を裏付けている。こんなデータもある。この大会の最終日の最大ストロークの逆転勝利は、3打差をひっくり返したものだ。タイガーは4打差をつけている。
もちろん確約することは不可能だが、3日目の土曜日にタイガーと同組で回り「67」という素晴らしいスコアを出し、最終日も一緒にラウンドを回るだろうグレーム・マクドウエルの声をお伝えしたい。
「今日のタイガーは抜群に安定していた。感服するほどの出来で、ボールを自在に操っていた」。
さらに身ぶり手ぶりで、タイガーのプレーを何とかうまく説明しようとしながら、「ものすごいなんてもんじゃなかった。とにかくとんでもなく安定していて、感心するしかなかった」と振り返る。
結局それ以上は言葉が続かなかった。言葉では伝えられないほどだったのだ。「じゃあ、この辺で。裏でウッズが待っているから。本人が部屋の中で待っているのに、そうした質問に答えるのは難しい。それにここまで調子のいいウッズに勝つのは厳しいね」と語っている。
マクドウェルは、タイガーが出場したトーナメントで軒並み好成績を収め、優勝ラッシュを遂げた2000年代の初期から中盤にかけての時代を目撃していない。だが、そうした最盛期を彷彿とさせるぐらいの出来であることは間違いない。
土曜日のラウンドは、スタートから3連続バーディで幕を開けた。ホール別の難度が最も高い7番で16フィートのパットを決め、ウッズのロケットスタートは続いた。
一方、マクドウェルはその直前、左から右へ下る85フィートからのパットを2打で決め、最難関のこのホールを辛くもパーで凌いだ。非常に大きなパーをセーブした。
「地獄のようなパットだったよ」と、ウッズは振り返った。
好調なウッズですら、地獄かと思うような難しいグリーンなのだろう。
ひとつ前のホールで、ウッズのティショットはパーム・ツリーに直撃した。問題だったのは、その後。そのボールが行方をくらましてしまったことだ。
ドロップしたウッズは、次の一打でグリーンに乗せ、そこから2パットでボギーとした。
ボギーの後のティショットで、ウッズは推定309ヤードのビックドライブでフェアウェイをキープし、マクドウェルの前述の85フィートのロングパットの後に、この日最後のバーディを決めた。
「去年のシーズン終盤の頃と似ているね」と、ウッズはショートアイアンを振り返った。パットだけでなく、ショットも、ドライバーも、ボールストライキングもどれも好調だ。「僕がボールを遠くにドライブする時の秘訣は、状況に応じたアジャストメントが鍵なんだ。今季ここまでアイアンが調子よいのは、もしかしたらボールを新調したからかもしれない。遠くに飛ぶと気分いいからね。これまでの不調を取り戻す時期が来たかもしれないね」。
数字はウソをつかない。ウッズはパーオン率で7位、パッティング数では3位で3日間の合計は「74」だ。
タイガーは優勝するのだろうか? 生涯76勝目の優勝となるのだろうか? ツアー史上4度目となる、同一選手による7度目の優勝を手にするのだろうか?
さらに重要なことは、もしタイガーがこのまま優勝すれば今季2勝目となる訳なのだが、それは直近12カ月で5勝目となる。世界ランク1位のロリー・マキロイと並ぶ好成績となるのだ。
ところでマキロイと言えば、タイガーから15打差の位置にいる。
明日、タイガーが優勝すれば、世界ランクで1位に返り咲くのに大きく近づくだろう。昨年、マキロイにその座を譲った、あの定位置だ。
明日、タイガーが優勝し、さらに2週間後のベイヒルでも優勝すれば、それは確実なものとなるだろう。
しばらくの間、われわれが目にしていない、あの「他を寄せつけない圧倒的な強さのタイガー」に戻ることも時間の問題かもしれない。
トーレパインズ、TPCブルーモンスターのいずれかでシーズン開幕を迎えた過去4度のうち、開幕戦で優勝した年のタイガーは、6勝(2005年)、8勝(2006年)、7勝(2007年)という、シーズンを通して素晴らしい記録を残している。
ウッズが心配していたことのひとつは、最後に彼が今週ほど調子よくラウンドしたのは、かなり昔までさかのぼらないといけないこと?という懸念だった。
「そうだ、トーレパインズだね」。ウッズは笑いながら言った。1月のトーナメントで優勝した時の話だ。「だったらそんなに昔のことじゃないね」。