<佐渡充高の選手名鑑 68>ロバート・ガリガス
2013年 タンパ ベイ選手権
期間:03/14〜03/17 場所:イニスブルックリゾート(フロリダ州)
ゴルフ界の大記録に迫るタイガー・ウッズ
「彼は多くのことをゴルフ界にもたらしてくれる」-ストリッカー
ところで。この春、夏、秋の“PGAのゴルフ予報”は視界良好となるのだろうか?
そうは思えない。そしてその兆しは、そこかしこで見られるだろう。ウッズの親友のひとりであり、パターの名手として世界に名高いスティーブ・ストリッカーは、タイガー復活の鍵を握るキーマンだ。
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先週の初め、こんなことがあった。そもそもそれは予定されていたことではなかったが、ストリッカーはウッズにパットのレッスンを行った。レッスンと言っても、そんなに複雑な講義をしたわけではなく、すでにウッズが知っていることを2人でおさらいしただけだ。しかしレッスンからウッズが得たものは、とても大きな意味を持った。4日間のラウンドでのタイガーの合計パット数はわずか100打。これは彼の4日間のキャリア最少パット数となった。パット名人ストリッカーの存在も、NBCで生中継されたタイガーの優勝トロフィーが授与された時の満面の笑みから、世界中のゴルファーに瞬く間に広まったことだろう。
後にゴルフチャンネル番組がストリッカーに対し「タイガーにはレッスン代を請求するのかい?」と冗談交じりに聞いた時、優勝したタイガーとワン・ツーフィニッシュとなる今年2度目の2位となったウィスコンシン州出身の優しい人柄の彼は、大笑いしてこう答えた。
「いやいや、そんなことしないさ」。ストリッカーは続けた。
「彼の優勝を見るのはとても嬉しいもんだよ。最後に彼は(ボギーを叩いて)2打か3打分くらい、ボクとの差を詰めてくれたけどね。彼の完全復活は、ゴルフ界全体にとっても、僕らゴルファーにとっても素晴らしいことじゃないか。タイガーは多くのことを(僕らのスポーツである)ゴルフ界にもたらしてくれる。彼が優勝すると、たくさんの注目が集まるんだ。だからこれで万事OKなのさ」。
「なによりも彼は友人だから。彼が調子よくラウンドするのを見るのは嬉しいものさ。彼はハッピーそうに見えるし、彼のプレーは正しい方に向かっていると思う。彼は良い
行動をたくさんしていると思うよ」。
タイガーは遂に、本格的にニクラスを追いかける体勢に入った。疑い深い人はしつこく主張しがちだが、一方で全体を俯瞰して物事を捉える。3月に37歳となり米ツアーで17シーズン目を迎えるウッズは、米国ツアー通算76勝を記録している。そのうち14勝は4大メジャー大会でのもの。ニクラスがウッズと同じステージにいたのは、1979年、39歳の時だ。米ツアー通算67勝で、そのうち14勝はメジャー大会でのものだった。
プロとして17回目のマスターズに挑むウッズは、過去に4度、グリーンジャケットに袖を通した。ニクラスはマスターズに14回出場し、記録となる6勝目を挙げたのは1986年、彼が46歳のときだった。