USGAがスロープレー撲滅キャンペーンを開始
2013年 全米オープン
期間:06/13〜06/16 場所:メリオンGC(ペンシルベニア州)
インサイダー:メリオンに降りしきる雨との戦い
(ペンシルべニア州アードモア)
「安定して速い」。これまでの全米オープンのコースは、このように表現されることが多かった。だがここ数日の間、降りしきる豪雨の影響で、メリオンゴルフクラブは月曜日の練習ラウンドが何度もプレーの中断を余儀なくされた。そして11番ホール(パー4)が冠水してしまったことで、選手たちはフィールド上の戦略を変えざるを得ない状況となった。
「これだけ多くの雨に降られたのは、本当に残念だ」と語ったルーク・ドナルド(イングランド)。彼は火曜日に、「ほとんどの人は、このコースで安定した速いプレーを見たいと考えているはず。だけど、今週はそれができるようには思えないね」と、私見を述べた。それでも「今回はこのコースにとって良いチャレンジになるよ。コース全体はそれほど距離がないけど、安定した速いゴルフが展開できれば、他の全米オープンのコースと遜色なく評価されると思うよ」と、前向きに話した。
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7,000ヤード(正確には6,996ヤード)に満たないメリオンは、メジャー大会では2004年に全米オープンが開催されたシネコックヒルズ・ゴルフクラブ(6,996ヤード)以来の短いコースとなる。豪雨の影響で、今週はコース全体の距離と電光石火のグリーンはさほど問題にはならないかも知れないが……。選手たちは狭いフェアウェイのぬかるみや、たちの悪いラフ、230ヤードを越える3つの長いパー3といった障害とも戦わなければならない。
スティーブ・ストリッカーは「常々言っているけれど、こんなに長いパー3は他にないからね。みんなこのコースの長さについて話題にしているよ。ここではずっと3番アイアンやユーティリティを使っている。かなりの距離があるから、今回もとても難しくなるだろうね」と話した。
練習ラウンドをこなしている選手たちは、木曜日の第1ラウンドに向けて、数多くのクラブを試している。彼らはバッグの中に何を準備するのだろう。彼らのバックを覗いてみよう。
【ドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド】
ティショットの時、ランを稼ぐような余計な考えは忘れたい。ティショットでは、何よりぬかるみに打ち込んでしまうことを避けなくてはならないだろう。つまり、ロフトをつけて滞空時間を長くするボールを打ち上げるか、低く打ってボールに多くのスピンをかけるか、のいずれかとなるだろう。
もちろん、これはドライバーが使われることが前提の話だ。ショートヒッターの代表であるルーク・ドナルドは、練習ラウンドではドライバーでのティショットを5回しか打たなかったことを明かした。
「思うに、今週ドライバーを使うのは数ホールしかないだろうね。コースを見る限り、5番6番、そして18番はティショット後にランを稼ぎたい。距離のある長いホールだから強いボールを打ちたいね」。
フィル・ミケルソンら多くの選手にとって、フェアウェイウッドは頼りになるクラブとなるだろう。ミケルソンは全米オープンの準備としてメンフィスでは「キャロウェイ X Hot 3Deep」に戻していた。このクラブは方向性も飛距離も計算できる。先週は、平均飛距離が300ヤードを越えていた。水浸しのメリオンでは、このクラブが鍵を握るだろう。
その一方、2011年の全米オープン覇者のロリー・マキロイ(北アイルランド)のように、ドライバーとロングアイアンのシンプルな組み合せで、積極的に攻める選手も見られそうだ。
「7回はドライバーでのティショットを想定しているんだ」と、マキロイ。「ティショットから積極的にプレーしようと思っている。だけどおかしな話だよね。ドライバーが7回と、残りはアイアンショットになるのだから。今週は3番ウッドや5番ウッドはあまり使わずに、ドライバーとアイアン、そしてウェッジの組み合せが多くなりそうだね。多くの選手がそうすると思うよ」。
ハイロフトのフェアウェイウッドや、ハイブリッドの使用を考えている選手たちもいる。バッバ・ワトソンやハンター・メイハンは、「ピン G25 7番ウッド」を深いラフからの選択肢としてテストしていた。広いソールは、深いラフからボールを出すのに重宝しそうだ。さらに飛距離を稼ぐこともできる。
【アイアン】
今週はアイアンを多用する選手はあまり見られないだろう。しかし一般的なフェアウェイウッドやハイブリッドの代役として、ロングアイアンが選択肢となる可能性はある。
マキロイは「ナイキ VR Proコンボ 2番アイアン」と「ナイキ VR_S コバート 19度」を、コースコンディションによって使い分ける。今週は2番アイアンを使うことを認めているが、最終決定は火曜日の練習ラウンドの感触で決まるそうだ。
ジェイソン・デイは「テーラーメイド ロケットボールズ 1番アイアン でシャフトはUST マミヤ(125グラム)」を使うだろう。あるいは自身の得意クラブである「テーラーメイド タープリファード MC 2番アイアン」に戻すかもしれない。
他の選手たちは、ドライビングアイアンを選択するようだ。飛距離が同等であれば、伝統的なロングアイアンよりも、柔軟性に富んでいる「タイトリスト 712U」や「アダムス DHy」のほうがより好まれそうだ。
ロングアイアンに「クリーブランド 588MT」を選択する選手もいる。キーガン・ブラッドリーは、標準的な3番アイアンよりも飛距離が出るという理由で「588TC 3番アイアン」の代わりに「588MT 4番アイアン」を愛用している。彼はさらに、全米オープンに向けて「588MT 2番アイアン」を、ティショットの秘密兵器として試打していた。
【ウェッジ】
グリーンが「安定していて速い」全米オープンでは、ウェッジの選択さえも勝負を左右する上で重要なカギを握るだろう。ダスティン・ジョンソンは新たなウェッジとして「テーラーメイド TP xFT」をピックアップした。セルヒオ・ガルシアは「テーラーメイド ATV ウェッジ (50度、58度)」をバックに追加した。今季2戦目のメジャーでは、いかにグリーンをキープするのかが、ひとつの焦点となる。
しかし同時に、グリーン周りが柔らかい状況では、選手はバックスピンをさせなかったり、バウンドを抑えたりできる。また、グリーンを掘ってしまうのを防ぐために、広いソールのクラブや、突き出したエッジを上手に活用することが不可欠となりそうだ。
【パター】
すべては今から木曜朝にかけての天候次第だが、メリオンのグリーンは、普段よりもボールの転がりが悪くなるだろう。全米ゴルフ協会は火曜日、14番グリーンの速さを計り、その値は12.4だった。
これはツアーの標準値と比べても、決して遅いわけではない。しかしタイガー・ウッズは、選手らはすでにパターのヘッドに鉛のリードテープを加え、通常より遅いグリーンへの調整をしていることを明らかにした。
「全米オープンを迎える心境というのは、とても繊細なものさ。だけど今週は、この天気のこともあって、例年と比較するとさほどナイーブにはならないだろうね」と語ったタイガー。「選手の何人かは既にパターにリードテープを張って、重さを調整しているよ」と明かした。
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