届かなかった赤いシャツ せめてモリカワは「タイガーみたいに」逃げ切った
2021年 WGCワークデイ選手権
期間:02/25〜02/28 場所:ザ・コンセッションGC(フロリダ州)
パトリック・リードの使用ギア変遷
ザ・コンセッションGC(フロリダ州)での「WGCワークデイ選手権」に乗り込んだパトリック・リードの鼻息は荒かった。メキシコで開催された昨年のWGC制覇というだけでなく、1月の「ファーマーズインシュランスオープン」で優勝を遂げたばかりだったからだ。今年後半にウィスリングストレイツGC (ウィスコンシン州)で開催が予定される「ライダーカップ」(米国選抜と欧州選抜の団体戦)へ向け、スティーブ・ストリッカー主将のため、“キャプテン・アメリカ”は邁進しようとしているのである。
用具という視点でいうと、リードはとても興味深い研究対象である。基本的にハイブリッド的自由契約選手であり、唯一の用具契約は日本のアイアンメーカーであるグラインドワークスのみとなっている。それ以外は世界中のクラブを遠慮なくテストできるのである。
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グライドワークスとの関係は、リードにとって実り多きものとなっている。この契約で彼は自身の専門知識をアイアンに込める機会を得ただけでなく、使用する用具についてどれだけ細部までこだわっているかを業界全体に知らしめることができたのである。
2018年の「マスターズ」王者は、アンバサダーとしてこのクラブ製造技術に長けた日本の新興メーカーの宣伝のため、見事な仕事ぶりを見せてきた。グラインドワークスのCEOにしてこの道40年のベテランであり、国際クラブメーカー組合(IGD)で殿堂入りを果たした新見清成氏は、会社に重みと説得力をもたらしている。それは、伝説的な存在である遠藤製作所の前社長である小林健治氏も同様である。
最近リードはツアープレーヤーでありAPGA(編注:マイノリティに属する選手の地位向上を目指すアドボケイトプロゴルフ協会)のレギュラーメンバーであるチャールズ・ペニー2世に対し、心動かされるメールを受け取ったのが縁でグラインドワークスのクラブを贈った。
「メールに書かれた彼の人となり、そして彼のゴルフにおける夢や大望、更には彼が自分の目標達成へ向けどれだけハードに取り組んでいるかを読んだんだ」とリード。「そして、腰を下ろしてじっくりと、彼の言わんとしていることや、彼の得ようとしていること、そして彼の目標や大望の全てを読んだら、是非この人のことを助けたいと思ったんだ」
ザ・コンセッションでは、シーズンが本格化するなか自身の勢いを持続させるべく大会に臨んだ。彼が昨年の大会でバッグに収めていたセットと、この大会で実戦使用したクラブを見比べてみよう。
2020年「WGCメキシコ選手権」
ドライバー: ピン G400(9度)
シャフト: 藤倉コンポジット VENTUS BLUE 6X
フェアウェイウッド: キャロウェイ マーベリック サブゼロ(3番/15度を13.5度に調整)
ユーティリティ:キャロウェイ APEX(20度を18.8度に調整)
アイアン: グラインドワークス パトリック・リード プロトタイプ(4番~PW)
ウェッジ: タイトリスト ボーケイ SM7(50度を51度に調整)、タイトリスト ボーケイ SM8(56度、60度を61度に調整)
パター: スコッティキャメロン ツアーラットI
ボール: タイトリスト プロV1
現在の使用ギア
ドライバー: タイトリスト TSi3(9度)
シャフト: アルディラ ローグシルバー 125 MSI 70TX
フェアウェイウッド: テーラーメイド SIM(3番/15度)
ユーティリティ:キャロウェイ APEX PRO(20度)
アイアン: グラインドワークス パトリック・リード プロトタイプ(4番~PW)
ウェッジ: アーティサン プロト(51度)、タイトリスト ボーケイ SM8(56度)、タイトリスト ボーケイ SM6(60度を61度に調整)
パター: スコッティキャメロン ツアーラット
ボール: タイトリスト プロV1
(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)