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2021年 ザ・メモリアルトーナメント
期間:06/03〜06/06 場所:ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)

コリン・モリカワの新パター導入秘話

コリン・モリカワは「メモリアルトーナメント」で序盤で首位に立った(編注:プレーオフで惜敗)が、それにはバッグに入れた新パターが一役買っていた。

24歳はグリーン上で厳しい時期を過ごしており、2020年はパッティングのストロークゲインドで128位に沈み、今季もこのスタッツの順位を180位としていた。

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カリフォルニア出身のモリカワは、今年の大会の大半でテーラーメイド「スパイダーFCG」のマレットタイプパターを、マーク・オメーラから学んだ“Saw”グリップで使用してきたが、グリーンでの運気を向上させるべく、使用パターをブレードスタイルのパターに戻した。彼は大学卒業時にはブレードスタイルを使用しており、昨年、ミュアフィールドビレッジで開催された「ワークデイチャリティオープン」を制した際も、ブレードスタイルを使用していた。今回、彼はグリップをスーパーストロークに変え、ブレードのロフトに調整を加えている。

しかし、今回の場合、ツアープレーヤーがパターを変更する際のありふれた話とは理由が違った。モリカワは、ツアープレーヤーから一般のゴルファーまで誰もが使用できるテーラーメイドのオンライン注文ポータルサイト(米国)を使ってこのパターを入手したのである。これが奏功し、モリカワは第1ラウンドで「66」をマークするとともに、グリーン上で1.8ストロークのアドバンテージを稼ぎ出した。

このモリカワのパター変更の詳細について深掘りするべく、我々(GolfWRX)はテーラーメイドの主任エンジニアであるポール・デンコウスキー(PD)氏、そして同社のツアーレップであるトッド・シュウ(TC)氏に話を聞いた。

GolfWRX: 「My TP」(編注:テーラーメイドのパタープログラム)に関してうかがいますが、なぜコリンは同サイトを見たのでしょうか?そしてなぜ気に入ったのでしょうか?

PD: コリンはオンラインでオプションを探しており、ヘッド、ヘッドインサート、アライメントなど、詳しいニーズについて、我々に依頼してきたのです。今回我々が組み上げたパターは、彼が以前使用していたネックが長くトップラインにアライメントラインの入ったTPジュノに似ています。

主な違いは、フェースのロフトをちょうとど2度減らしたところです。彼の新しいセットアップ(構え方)では、彼の手は以前より前に来ています。これにより、我々はシャフトを前側に曲げることができるようになり、手が前方にある位置でフェースがスクエアになるロフトに仕上げることができました。もし、ロフト調節をすることなく、彼の新しい手のポジションに合わせるため単純にシャフトを前方に曲げているだけだったら、パターには過度にロフトがついているところでした。

それに加え、彼はFCGパターに装着されたコッパーインサートをどれだけ気に入っているかについてコメントしていました。TPパターには同じ銅製インサートはありませんので、我々は代わりにこのパターの打感を硬くするためステンレス製インサートを装着しました。

ですので、彼専用の変更点もいくつかありますが、一般の消費者も我々のウェブサイトで、彼のスペックと90%同じ物を購入することが可能なのです。

もし、消費者が我々のウェブサイトで彼のパターの仕様を再現する場合、オプションは次のような感じになります。

Grip Model:SuperStoroke Pistol 1.0 Black
Shaft Length:34
Shaft color:Chrome
Model and Logo Color:White
TP Collection Logo Color:White
Sole Weight Paint Fill:White
Sole Weight Finish:Stainless Steel
Face Insert Color:Silver
TP Screws Color:Black
TP Badge Color:Silver
Sight Line/Dot Color:White
Sight Line:Single Top Line
Finish:Black Finish
Hosel Options:Juno Long Neck

コリンのパターの長さは34.25インチで、グリップはホワイト/グレーのSSピストル1.0になります。

GolfWRX: 彼がまずはMy TPを見てみようと思ったきっかけについて思い当たる節はありますか?彼のニーズに合った物を探し出すためだったのか、あるいは我々と同じように、何かを設計することを楽しんでいたのでしょうか?

PD: 彼は新たなTPジュノを模索する上で、我々と話をしていましたので、同じようにインスピレーションとして(My TP)を使用しました。

GolfWRX: モリカワがジュノを組み上げてから入手するまでのプロセスはどのようなものでしたか?発売モデルと何か違いはありますか?

PD: コリンは以前にこのモデルを使用していたため、TPパターのオプションを模索しており、いくつかの点をカスタマイズしたいと望んでいましたが、単に数カ所の追加要素を希望しただけでした。

GolfWRX: コリンはスパイダーFCGを使用していました。このパターはどのようなゴルファー向きなのでしょうか?

TC: FCGはこれまで常にブレード型を使用していたプレーヤーで、ブレードのフィーリングとバランスを残したまま、マレットの安定感を加えたい人に理想的なモデルです。究極的には、マレット型の方が断然安定していますが、スイングの感じはかなり異なってきます。FCGはブレードを使用するプレーヤーにとって、そこまで極端な変更にはなりません。

GolfWRX: マレット型からブレード型(あるいはブレード型に近い形状)への乗り替えは、かなり影響が大きくなります。なぜコリンは乗り替えたのでしょうか?彼のストロークは変わったのでしょうか?

TC: 彼のグリップはかなり変わりましたので、それにより彼のストロークもだいぶ変わりました。彼はブレード型では、新しいグリップと新しいテクニックでプレーしていませんでしたので、試してみようと思ったのです。

GolfWRX: フィッティング、そしてクラブの組み上げという見地から、今回の件でアベレージゴルファーに教訓となる点はありますか?

TC: いつもそうであるように、パターのフィッティングは、バッグに入っている他の13本に対するそれと同様に重要です。心地良いフィーリングと、ストロークに自信を感じる必要があり、同時に数値から自分にとってどのパターの転がりが良いのかを知る必要があります。

(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)

情報提供:PGA TOUR

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