キャメロン・スミスが投入した4本の新ボーケイウェッジ
2022年 ソニーオープンinハワイ
期間:01/13〜01/16 場所:ワイアラエCC(ハワイ州)
C.スミスが使用するスコッティキャメロン・プロトタイプパターの秘密
2週前の「セントリートーナメントofチャンピオンズ」を制したキャメロン・スミス(オーストラリア)。通算34アンダーをマークしてPGAツアーの歴代最少スコア(編注:1950年以降)を更新したとなると、おそらくバッグの中のすべての番手が機能しているとみていいだろう。
カパルアで「65」「64」「64」「65」を並べた際に実戦投入していた新しいボーケイSM9ウェッジが話題となったが、そんななか、彼のパターがバッグの中で最も興味深いクラブとして浮上してきた。
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いまスミスはスコッティキャメロン009Mプロトタイプでパットしている。一般的に言って、009Mは伝統的なアンサー型のパターで、通常販売モデルではニューポートシリーズが最もこれに近い。“009”はキャメロンがスタジオを置くサンディエゴの郵便番号に由来しており、“M”は「マスターフル(熟練の技)」の頭文字を表している。
スミスはこのスラントネックのクラブを昨年の「ソニーオープンinハワイ」で実戦投入したという。1周年を迎えることから、できることならこのパターに“誕生プレゼント”を買ってあげたいことだろう。何しろ、昨季のパッティングのストロークゲインドで10位に入り、今季は4位(「ソニーオープン」前時点)にランクインしているのである。2週前のカパルアでは、このスタッツで首位に立った。
スミスはスラントネックを好んでいるといい、昨年新しいパターの使用について考えた際、どのパターを試打するにしてもネックはスラントネックにしてほしいとメーカーに伝えたという。
「背面にクールな刻印がたくさん施されているんだ」とスミス。「トップのドットが気に入っているんだ。ライン派だったことは一度もないね。こっちの方がもっとパターを感じることができるように思うんだ。ラインではいまひとつ集中しきれない。(ドットの方が)良いパットが打てると感じられるし、真っすぐ打ち出される良いパットというのは、入る確率が高まることを意味するからね」
スミスの好みに合ったデザイン面の要素に加え、このパターには言い表すのが難しいクオリティが備わっているようだ。
「とにかくこのパターが好きなんだ。なぜか分からないけど」とスミス。「手で握った感触が最高なんだ。良い感じでロングパットが打てるように感じるのだけど、それは重要なことだからね。僕らは、時折とんでもないパットを残してしまうことがあるから。(このパターだと)ボールをとても良い感じで転がせるように思えるんだ。繰り返しになるが、僕にとって一番大きいのは打ったときの感じだね。とにかく、真ん中から出ていく良いパットがたくさん打てる感じがするので、フィーリングがとてもいいんだ」
スコッティキャメロンのツアーレップ、ドリュー・ペイジによると、スミスは以前、マレット型のトレリウムT22ファストバックモデルを使用していたという。その後“ブレード派”を自認するスミスが、同じようなスラントネックのブレード型パターを求めたことから、ブレード型のデザインをコラボレートした。
「彼はネックが気に入っていてね。009のヘッドに取り付けたんだ。我々は2021年の『ソニーオープン』であのパターを渡したのだけれど、そこから実戦投入し、以降、彼はずっと使い続けている」とペイジ。「あのパターは彼の求める見た目とオフセットになっていて、彼がブレードに求める反応を示しているんだ。おそらく、彼は自分のルーツに立ち返り、自分のストロークにブレード特有の操作性がほしかったのだと思う」
パットが快適性(comfort)と自信(confidence)のゲームであるとすると、スミスは完全にその両方の「C」を手にしている。なんならそのリストに、“クール(cool)”を追加してもいいかもしれない。キャム(キャメロンの愛称)のキャメロンは、ツアー屈指のクールなルックスを備えているのだから。
(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)