2022年 ザ・プレーヤーズ選手権
期間:03/10〜03/13 場所:TPCソーグラス(フロリダ州)
ウェブ・シンプソンがついに新ドライバーに変更 そのワケとは
ウェブ・シンプソンは、単に最新テクノロジーへのアップデート目的というだけでは、新しい用具に変更しない。かつての「ザ・プレーヤーズ」王者は、気に入ったクラブを見つけると、それを使い続ける。彼が新しい用具をバッグに入れるプロセスは、常に慎重なのである。「僕はいつだって少し遅れているんだ」と、シンプソンは「ザ・プレーヤーズ選手権」開幕前の9日(水)にGolfWRXに語った。
シンプソンはまだ、2018年にリリースされたタイトリストTS2のフェアウィウッド(3番)を愛用している。使用するタイトリスト913F・d(18度)と913H・d(20度)に至っては、2013年にリリースされたものである。915H・d(23.5度)にしても、その1年後にリリースされたクラブである。
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しかしながら、この週はシンプソンが4年間使い続けたタイトリストTS3ドライバーとの決別の時となった。
多くの仲間たちが2020年10月にリリースされた新しいタイトリストTSi2及びTSi3モデルへとアップグレードするなか、シンプソンはTS3ドライバーを使い続けた。だが、時間が経つにつれ、シンプソンはどれだけ多くの選手が新しいTSiドライバーへとアップグレードし、初速アップを果たしているかに気付かされたと述べた。
「(TSi3ドライバーのリリースは)僕のドライバーが好調だった時と重なったんだ」とシンプソンはGolfWRXに明かした。「僕はそれをいじりたくなかったんだ。でもある時点で、僕はかなり多くの選手たちがあれを使い、初速を上げているのを目の当たりにしたんだ」
タイトリストの新しいTSiドライバーには、ボール初速を上げるために設計された新素材「ATI 425チタン」が使用されており、シンプソンはこれまで実戦で使用していたモデルに比べ、新しいTSi3では、ボール初速が時速2~3マイル(0.89m/s~1.34m/s)ほどアップしたと述べた。
初速アップはシンプソンにとって歓迎すべきことだったが、変更へ踏み切るには、スピン量の調整が必要だった。
「新しいドライバーは、僕にとってスピン量が少なかったので、適正なスピン量を得るのに時間を要したんだ」とシンプソン。「僕は低い弾道のティショットを打つのが好みなのだけど、低い弾道では十分なスピン量が得られなかったんだ。だけど、ついにしかるべきコンビネーションを得ることができたんだ」
シーズン初戦となった昨年9月の「フォーティネット選手権」を前に、シンプソンはタイトリストのツアーフィッターであるJ.J.ヴァンウェゼンベックとの作業で、スピン量と弾道を最適化するシュアフィットホーゼルの設定とドライバーシャフトの組み合わせを模索した。そして、ロフト角10度のTSi3ヘッド、A1ホーゼル設定(標準と比べて+0.15度)、新しいプロジェクトX HZRDUS RDXスモーク60 TXシャフトという組み合わせに落ち着いた。
シンプソンは「フォーティネット選手権」の最初の2ラウンドを古いTS3ドライバーでプレーしたが、週末のラウンドは新しいTSi3にスイッチした。
その後の5試合では、ドライバーを古いTS3に戻している。完全な変更に踏み切るまでしっくり来ていなかったのである。
首の負傷により、「ザ・プレーヤーズ」はシンプソンにとって1月の「ソニーオープンinハワイ」以来の実戦となった。彼は、ワイアラエではまだ古いTS3ドライバーを使っていたが、「ザ・プレーヤーズ」までの期間にじっくりと製品テストを重ね、新しいTSi3ドライバーのセットアップに慣れ親しむには十分な時間があった。
そしてこの週、シンプソンは正式に乗り換えを敢行した。TPCソーグラスにはドライバーを1本しか持ち込まず、それは新しいタイトリストTSi3だった。
シンプソンはGolfWRXに、自宅で大々的にTSi3ドライバーを使い込み、一貫したボール初速のアップが見られるようになったので、アップグレードに踏み切ったと伝えた。おそらくこの変更は長続きするだろう。
(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)