シュライナーズチルドレンズオープン<放送予定>
2022年 シュライナーズチルドレンズオープン
期間:10/06〜10/09 場所:TPCサマリン(ネバダ州)
タイトリストが2023年モデルの新ボールをツアー現場でお披露目
2022年「シュライナーズチルドレンズオープン」開幕前の月曜日、タイトリストが新しい2023年モデルのプロV1とプロV1xの“ツアーシーディング及び検証作業”のプロセスを開始した。
タイトリストがラスベガスの「シュライナーズチルドレンズオープン」で新しいプロV1とプロV1xをお披露目するのは新しいことではなく、伝統行事となっている。検証作業の一環として、同社のゴルフボール設計者とフィッターは、PGAツアーの選手たちと緊密に作業するなかで選手たちの質問に答え、新設計について説明し、テスティングを通じて弾道計測機のデータを収集。選手たちにとって、どちらのボールが彼らの全体的なゲームに最適であるかを導き出すのである。
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その上で、タイトリストはその会話やフィッティングセッションをフィードバックとして持ち帰り、将来のゴルフボール設計に反映させるのだ。
フォーディ・ピッツ(ゴルフボール研究開発部門ツアーコンサルタント)、ジェレミー・ストーン(ゴルフボールマーケティング部門副部長)、そしてその他のチームスタッフは、2023年モデルのプロV1とプロV1xゴルフボールの入った白いプロトタイプ用の箱を何ダースも持ち込み、試打や検証用にプロへ手渡した。
今回のお披露目と、これまでとの唯一の違いは、この新しいゴルフボールが、実は既に競技で使用されていた点である。
ガリック・ヒーゴ(プロV1)、ゲーリー・ウッドランド(プロV1x)、そしてM.J.ダッフィー(プロV1x)は、先週開催された「サンダーソンズファームズ選手権」で、この新しいボールを既に実戦投入している。その時点ではまだ公式にお披露目はされていなかったものの、USGAの適合リスト入りは完了しており、タイトリストは1週早めに実戦で使用したいという選手の要望を承諾したのである。
ルールが破られることはなかったが、伝統はその限りではなかったのだ。
新しいゴルフボールでヒーゴは3位に入り、ダッフィーもまた、新しいボールで第1ラウンドにホールイワンを達成する思い出深いスタートを切った。
タイトリスト契約選手のチャーリー・ホフマンは、今大会から新しい「プロV1x」へ乗り換えるとすでに述べている。彼は火曜にGolfWRXとの会話の中で、「少し前に、オーシャンサイドのTPI(タイトリストパフォーマンス研究所)で試打した時から、この日を楽しみにしていた」と話した。
サンディエゴ在住のホフマンは、カリフォルニア州オーシャンサイドにあるタイトリストのフィッティングやテスティングを行う施設のごく近所に暮らしているため、“約2カ月前”に新しいゴルフボールに接する機会を得たのである。
その時はまだ新しいゴルフボールへの認可がUSGAよりおりていなかったため、ホフマンは「プロV1レフトダッシュ」を使い続けていた。“レフトダッシュ”は、タイトリストの通常モデルに比べ、より打ち出し角が高く、スピン量の低いモデルとなっている。そして今週、ホフマンはようやく新しいゴルフボールを実戦投入できるようになったわけだが、GolfWRXは彼をつかまえ、2023年モデルに対する彼の見解を聞いてみた。
「(オーシャンサイドで)打ったのだけど、初速が最高だった」とホフマンはGolfWRXに述べた。
「僕はレフトダッシュのことを“トラックマンボール”と呼んでいるんだ。と言うのも、トラックマンの数値は全てが素晴らしい。ただ、グリーン周りでは若干失うものがあるけどね。この23年版は、僕が思うに、とても速いボールだね。(低スピン量のレフトダッシュより)スピン量は少し多いけれど、ドライバーでは、最適の打ち出しコンディションが得られつつ、低スピンなんだ。でも、僕が一番気に入っていて、一番大きな違いだと思うのは、アイアンではかなりタイトで、グリーン周りでかなり良い点だね。僕が思うに、打感は少し柔らかくなっていて、僕の使っていたダッシュや従来のXボールほど、カッチリしていない。打音も少し静かになっていて、グリーン周りが本当に素晴らしんだ。ドライバーで飛距離を出して良い弾道を実現しつつ、グリーン周りのパフォーマンスを維持するのは難しいものなんだけど、タイトリストはどうにかして、それを23年版のゴルフボールでやってのけたんだ」
2023年モデルの「プロV1」と「プロV1x」の初回のフィッティングセッションの多くを手掛けているピッツもまた、GolfWRXに新ゴルフボールで彼の経験したことについて語ってくれた。
「我々にとっては、概ねいつも通りの開発プロセスでした」とピッツ。「今年の初め、と言うよりは、実際のところ、昨年から今年にかけて、我々は着手しました。我々の目標、あるいは我々の目指したパフォーマンス的な北極星は、ショートゲームで全てのパフォーマンスを維持しつつ、ロングゲームでスピン量が若干低くなり、結果として飛距離が伸び、弾道がタイトになり得る製品でした」
「カバーと空力設計については、短いショットに対する影響力がかなり高いため、同じままにしました。同じカバーと外層構造にすることにより、100yd以内のスピン量は全く変えませんでした。両製品とも、違いはコアに関してであり、我々がよりフルショットに近い、高初速のショットに対してスピン量を減らすために施した変化でした。繰り返しになりますが、我々は弾道をよりタイトにし、結果として飛距離が伸びつつ、ショートゲームのパフォーマンスを維持するようにしたのです」
前作の2021年版「プロV1」及び「プロV1x」で、それぞれのモデルに対し、設計上の全面的な見直しを行ったのは、留意するべき重要な点である。21年モデルには、新たなディンプルパターン(プロV1は348ディンプル、プロV1xは388ディンプル)、新たなコア、そして新しいケーシング層が用いられた。プロV1は低弾道で打感の柔らかい3層構造のボールだったのに対し、プロV1xは高弾道、高スピン量で、打感の若干硬めな4層構造のボールだった。
上記したピッツの言葉によると、カバーは21年モデルと同じながら、23年モデルのゴルフボールは、スピン量を抑え、弾道の散らばりをタイトにするため、その内部に違いがあるようだ。
「21年モデルは、多くの選手にとって素晴らしいものでしたが、好き嫌いがはっきりしていました」とピッツ。「選手によっては完璧だったのですが、弾道とスピン量が高すぎると言う選手もいました。ですので、この製品で我々はそれについて対処するかたちになりました」
タイトリストは、エンジニアたちがパフォーマンス向上のため、どのような設計変更を行ったか、まだ明らかにしていないが、現段階でのPGAツアーの選手たちのフィードバックからすると、彼らは改善を歓迎しているようだ。
新しい2023年モデルのプロV1及びプロV1xゴルフボールに関しては、今後も新しい情報をつかみ次第、随時その詳細を更新することにする。
(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)