2023年 ザ・ジェネシス招待
期間:02/16〜02/19 場所:リビエラCC(カリフォルニア州)
ジャスティン・ローズがペブルビーチのV直前にギアを“即興”変更
2018年にフェデックスカップを制覇し、世界ランキングでナンバーワンに登り詰めたジャスティン・ローズ(イングランド)が、2週前の「AT&Tペブルビーチプロアマ」で、ついに4年に及んだ無勝利期間に終止符を打った。この直近2勝の狭間でコンスタントに改善の道を模索したローズは、ジェットコースター的な用具変更の実験を経験した。
ローズは「プロフェッショナルとしての観点から、用具変更やキャディ変更、そしてコーチの変更について考えることも当然あるし、実際、それらは全て違いをもたらすけれど、そういう判断は、ポジティブな方向に違いをもたらしている時に下すものなんだ」と、ペブルビーチでの優勝以来の出場となった「ジェネシス招待」の大会前会見で述べた。
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「確かに、これまで下した決断による恩恵を後になって考えてみると、そうした決断は常に自分の望む方向へ導いてくれたわけではなかった。僕は、決めたことの一つや二つが思い通りに行かなかった場合、船を立て直すためには、更に良い決断を下さなければならなくなると感じている。最近、僕のやっていることもそうであればと期待しているんだ。僕は常に、きょうの自分よりもあすの方が良いゴルファーになると信じているし、それが自分にとって主要なモチベーションなんだ」
最終的に、彼の正しい用具を見つけ出すことへの絶え間ないコミットメントは、成功を収めることとなった。
用具契約フリーとなった2020年以降、ローズはしがらみにとらわれることなく、自分の望むブランドやゴルフクラブをテストできる柔軟性を手にしていた(2019年にアクシス1 ローズプロトを使用して優勝した後、2020年に契約したアクシス1とのパートナーシップのみ例外)。
そして、2020年からは用具に関する柔軟性をフル活用してきた。昨季だけでも、GolfWRX.comは、彼がテーラーメイド、タイトリスト 、ミズノ、スリクソン、そして三浦技研のアイアンを使用するところを目撃している。
そして、ペブルビーチで優勝した週は新品の2023 コブラ キングのアイアンセットを自らの武器としていた。最近のインスタグラム投稿で、ローズはこの用具変更について、“即興”変更としている。
ただし、コブラのアイアンセットは彼にとって新しい物ではあったものの、実のところ、今回の変更は、2013年に「全米オープン」を優勝した際のアイアンセットを振り返ったことがきっかけとなったのである。当時はキャビティバックだったテーラーメイド ロケットボールズのロングアイアンと、テーラーメイド MBのショートアイアンで構成された複合セットを使用していた(こうした複合セットは、ロングアイアンに寛容性と高弾道の利点を生かし、ショートアイアンに高い精度を求めたいプレーヤーに最適)。
新たな複合セットを模索していたローズは、PGAツアーの選手仲間のバッグをのぞいているうち、コブラ キングの複合アイアンセットに興味を持つようになった。
コブラのツアー運営責任者であるベン・ショーミンによると、ローズが新しいアイアンのテストを初めて行ったのは「AT&Tペブルビーチプロアマ」第1ラウンドの前日だったとのこと。これは土壇場での変更となったのだが、ショーミンはわずか20スイングしただけでローズがこのアイアンに夢中になったと語った。
現場で手短に実験を済ませたローズは、コブラ キングフォージドツアーの4番アイアン、コブラ キングCBのミドルアイアン(5番と6番)、そしてコブラ キングMBのショートアイアン(7番~PW)で構成されたセットを使用することに決めた。
また、彼はアイアンのシャフトも変更している。特にスリークォーターのショットで、それまで使用していたKBSツアーCテーパー 125 S+シャフトよりも柔らかい感触を得るため、彼は新しいコブラのアイアンヘッドにプロジェクトX 6.5シャフトを装着したのである。
土壇場での変更と言えば、ローズはペブルビーチの大会期間中にフェアウェイウッドを変更したことも明らかにした。彼はキャロウェイ パラダイムの3番ウッドをバッグに入れてスタートしたが、その後、使い慣れたテーラーメイド M6の3番ウッドに戻している。ペブルビーチで優勝を遂げる前の直近の勝利(2019年「ファーマズインシュランスオープン」)も、テーラーメイド M6の3番ウッドで挙げていた。また、彼は2019年と2023年にカリフォルニアで挙げた勝利の両方で、アクシス1 ローズプロトパターを使用している。
試行錯誤に余念のないローズは今週の頭にもさらなるテストを行っているが、どうやらペブルビーチでの優勝セットをそのまま使用するようだった。
ローズの「ジェネシス招待」での使用ギアは次の通り。
ドライバー:キャロウェイ パラダイム(8.5度)
シャフト:藤倉コンポジット VENTUS BLACK 6X
フェアウィウッド:テーラーメイド M6(3番15度、5番18度)
シャフト:三菱ケミカル ディアマナD+リミテッド 80TX
アイアン:コブラ キングフォージドツアー(4番)、コブラ キングCB(5、6番)、コブラ キングMB(7番~PW)
シャフト:プロジェクトX 6.5
ウェッジ:タイトリスト ボーケイデザインSM9(52-12F、56-08M)、テーラーメイド ミルドグラインド ハイトウ(60-07)
シャフト:KBS Hi-Rev 2.0 135X
パター:アクシス1 ローズ
グリップ:ラムキン ピストルクロウ
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)