ツアーで見つけた最新ギアすっぱ抜き 発表前1W&シャフトのテスト現場に潜入
2023年 メキシコオープン
期間:04/27〜04/30 場所:ビダンタバジャルタ(メキシコ)
ジミー・ウォーカーの両極端な1Wのシャフトチェンジ
ジミー・ウォーカーはバルタスロールで開催された2016年「全米プロゴルフ選手権」での優勝を含め、これまでPGAツアーで6勝を挙げている。
ウォーカーは何年にもわたり、PGAツアーのスタッツでは、ストロークゲインド・パッティングやストロークゲインド・アプローチ・ザ・グリーンといったカテゴリーで上位にランクインしてきたが、同年代の選手の中では、ティショットに関してキャリアの大半で苦しんできた。
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2013-14シーズンにはストロークゲインド・オフ・ザ・ティで80位にランクインしているが、その後は残念ながら下り坂となっている。その後、このカテゴリーでは1回しかトップ100に入っておらず(2015-16シーズンの85位)、2019-2020年にはワーストとなる192位までランキングを落としている。
とは言え、ウォーカーは良くクラブをいじる選手であり、常に自身のクラブセットアップに施すことのできる改善を模索している。
また、最近になって証明しているように、彼は極端なことも平気で行っている。
例えば、2020年ことだったが、ウォーカーはドライバーと3番ウッドにトゥルーテンパー ダイナミックゴールド ツアーイシューX100スチールシャフトを装着したことがあった。通常、ドライバーや3番ウッドに使われる現代的なグラファイト製シャフトと比較すると、ウォーカーが試したスチールシャフトは極度に重く、硬い。スチールシャフトが最高のヘッドスピードを実現するために設計されているわけでないのは明白だが、ウォーカーはより高い一貫性を模索していたのである。
最終的にこの試みは短命に終わり、ウォーカーはより一般的な実験的方法を用いる中で、ドライバーの不調を克服するため、然るべきヘッドとシャフトの組み合わせを見つける上で硬めのグラファイトシャフトへと回帰した。
時計の針を一気に進めた今年の「RBCヘリテージ」で、GolfWRX.xomはウォーカーがドライバーと3番ウッドに対し、かつて取り組んだスチールシャフトの試みとは真逆にある施策を用いているところを目撃した。
「HBCヘリテージ」(彼はこの大会を2ラウンドにわたりリードした)の数週間前に、彼は自身の所属するサンアントニオのゴルフクラブで、多くのローカルプレーヤーがオートフレックスのシャフトを使用しているのを目にした。
この鮮やかなピンク色のオートフレックスシャフトについては、2021年にアダム・スコットが使用したことから、覚えている読者もいるかもしれない。このシャフトが独特なのは、PGAツアーの現場で見る現代的なシャフトのほぼ全てとは異なり、大幅に軽く、著しくフレキシブルに設計されているところにある。このシャフトは、インパクトでスナップを利かせてスピードを増すピンクの輪ゴムみたいなものである。
通常、極度にしなるシャフトは精度が代償となる傾向にあるが、オートフレックスシャフトは謎に包まれた“KHT(Korea Hidden Technology = 韓国の秘密技術)”で組み上げられている。ピンクのカラーリング、超フレキシブル設計、そして極秘テクノロジーが読者の興味を引くかどうかは分からないが、このシャフトは1本790ドルとなっている。
このシャフトのホームコースでの局地的な人気に興味をそそられたウォーカーはクラブプロフェッショナルの元へ行き、使用するキャロウェイ パラダイム トリプルダイアモンドのドライバーと3番ウッドに、オートフレックスの57グラムXXシャフトを組み上げてもらったのである。
ふたを開けてみると、この試みはウォーカーによる最初のテストに合格した。彼はGolfWRX.comに対し、このシャフトは「これまで試したすべてのものと違う」フィーリングがするものの、最後はボール初速と精度の向上を実現したと述べた。
「とても気に入ったよ」とウォーカー。
新しくて風変わりなシャフトを使ったウォーカーは「RBCヘリテージ」で、リーダーボードの脅威となった。第2ラウンドを終えて首位に立ったが、比較的精彩を欠いた週末のパフォーマンスにより、25位タイで大会を終えた。
しかし、結果より重要だったのは、ヒルトンヘッドの1週間でティショットに明るい兆しが見えたことであり、それはウォーカーが何年もの間、追い続けてきたものだったのである。
果たして、彼は長期的な解答を見つけたのか?それは現時点では、まだ分からない。しかし、アマチュアはドライバーのシャフトについて、両極端のオプションを積極的に試してみるウォーカーの姿勢から多くを学ぶことができる。実際に試してみるまで、何が一番良いのかは誰にも分からないのである。
ウォーカーはビダンタでの「メキシコオープン」で再びオートフレックスシャフトを試し、15位タイの成績で4日間を終えた。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)