マキロイに続きウッズも新1W「Qi10 LS」を投入か? シャフトは「VF」
2024年シーズンへ向けたギアのトレンドと展望(前編)
5万ドルの値がついたマイケル・ブロックの7番アイアンから、突如としてゴルフ界で最も人気のあるマレット型パターとなった旧型のオデッセイ「バーサ ジェイルバード」まで、PGAツアーの2022-23年シーズンは、面白く興味深いギアのストーリーがパンパンに詰まっていた。
2024年に店先でどのようなギアの世界が展開するかは、これから明らかになるわけだが、一年の締めくくりが近づくなか、来年におけるギアの景色は、地平線のかなたに形を現し始めている。
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以下はGolfWRX.comによる、進化の止むことのないギアに関するPGAツアー24年シーズンの展望である。
1. マキロイとフリートウッドが「Qi10 LS ドライバー」を実戦投入
テーラーメイドの新しい「Qi10 LS ドライバー」がUSGA適合クラブリストで承認されるや否や、ロリー・マキロイ(北アイルランド)とトミー・フリートウッド(イングランド)は11月中旬の「DPワールド ツアー選手権」にて、揃ってこの新しいドライバーに乗り換えた。
テーラーメイドの前モデルにあたる「ステルス2 ドライバー」同様、「Qi10 ドライバー」のプロトタイプのフェースには“カーボン”の文字が確認されており、複合素材で作られたフェースインサートが用いられていることを暗示している。念のため振り返っておくと、テーラーメイドのステルス2には業界標準のチタン素材より軽い60層のカーボンからなる赤いフェースが用いられており、フェース全体でのボール初速向上を実現している。
テーラーメイドはQi10 LSに搭載された新しいテクノロジーの詳細について、まだ明らかにしていないものの、画像を見る限り重量調整ができるソール、そしてヘッド後方に銀色のウエートポートを搭載しているのは明白である。
これに加え、「ヒーローワールドチャレンジ」の週の月曜には、Qi10 ドライバー(LSの文字がついていないタイプ)がUSGAの適合クラブリストに掲載された。推測するに“低スピン”バージョンであるLSより若干スピン量が多いと見られるが、詳細についてはまだ確認に至っていない。
DPワールドツアー選手権でQi10 LS ドライバーを使用したフリートウッドは2位タイ、マキロイは22位タイでフィニッシュした。
2. ピンの新型ドライバーとウェッジ
シーアイランドで行われた「RSMクラシック」の月曜に、ピンは出し抜けに新しいプロトタイプのドライバーをお披露目した。「G430 MAX 10K」と名付けられたドライバーの初期段階のテスターリストには、キャメロン・チャンプとハリス・イングリッシュが名を連ねた。
現時点でピンはこのドライバーに関する詳細は発表してないものの、GolfWRX.comはRSMクラシックにて写真を撮影。カーボンクラウンが採用され、アドレス時の投影面積が大き目であることを確認している。
イングリッシュはシーアイランドにてGolfWRX.comとの会話の中で、「ヘッドは確実に大きい(見た目となっている)し、滅茶苦茶真っ直ぐ飛ぶので、かなり好印象だね」と述べている。
また、ピンは新しい「S159 ウェッジ」もお披露目しており、ロフト、グラインド、バウンス、そして仕上げの種類がかなり豊富なシリーズとなっている。
イングリッシュはすでに乗り換えたS159 ウェッジのセットについて、「これは良いよ。僕はこのメッキなしの見た目が好きだね。(メッキなしは)随分と長い間使っていなかった。グラインドの種類も豊富で最高なんだ。オプションは断然多くなったね」と述べている。
3. PXGとコブラからも新ドライバー
RSMクラシックは、ピンのG430 MAX 10K ドライバーに加え、PXGとコブラの新ドライバーにとっての性能試験場にもなった。
PXGに関して、GolfWRX.comは4種類のPXG「0311ブラックオプス」プロトタイプヘッドを目撃している。PXGの契約選手であるエリック・コールによると、これらのヘッドは弾道性能やスピン量が若干異なるとのこと。ドライバーを使用したコールはRSMクラシックで3位タイに入っており、この週のストロークゲインド・ティ・トゥ・グリーンで36位にランクインした(コールのシーズンを通した同ランクは158位)。
また、コブラも新しい「ダークスピード ドライバー」をお披露目しており、こちらのシリーズは「ダークスピードLS」(低スピン)、「ダークスピードX」、「ダークスピードMAX」の3種類となっている。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)