松山英樹 “1ミリ未満”の超微調整アイアンで13回目の「マスターズ」へ
1Wと3Wの中間? テーラーメイドの新たなミニドライバー
昨年、PGAツアーではいわゆる“ミニドライバー”の使用率が大幅に上昇した。このクラブはドライバーとフェアウェイウッドの中間を占め、大抵の場合、選手たちが飛距離よりも精度を高めたいときのオプションとして使用されている。
テニスに例えるなら、ミニドライバーはティショットにおける“セカンドサーブ”的オプションと言える。ドライバーが飛び過ぎるとトラブルなりかねない場合、あるいは、ドローやフェードの弾道をきっちり作る必要がある場合にこのクラブの出番となる。ドライバーよりロフトがある分スピン量が増え、弾道を打ち分けるのが容易になるのである。また、その名の通り、ミニドライバーのヘッドはドライバーよりも小さい。
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テーラーメイドはオリジナルのBRNRミニドライバーを2023年4月にリリースしたが、以降、複数のPGAツアープレーヤーがこのクラブを実戦で使用しており、これにはトミー・フリートウッド(イングランド)、アダム・スコット(オーストラリア)、そしてルーキーながら今年の「メキシコオープン」で優勝したジェイク・ナップが含まれる。
フリートウッドは2023年「RBCヘリテージ」でBRNRミニを実戦投入し、今でもこのクラブをバッグに入れている。
「僕は絶対にフェアウェイを捉えなければならない場合、3番ウッドよりもドライバーの方が安心して打てるんだ。その場合、僕はドライバーで低めにティアップして若干カット目に打つか、あるいはネック寄りで打つようなカットでフェアウェイを狙うんだ。3番ウッドは、そのショットに向いていない。通常、3番ウッドは僕にとって、パー5でフェアウェイから270~280ヤードほど打つクラブなんだよ。時として、常に3番ウッドが必要でないコースもある。(BRNRミニであれば)普通にスイングするだけで安心して真っ直ぐに打てるんだ。基本的に、これは3番ウッドの代替要員だね」とフリートウッド。
優勝したメキシコでBRNRミニを使用したナップも、フリートウッドと口をそろえるように次のように述べた。
「随分前までは3番ウッドをバッグに入れていたけれど、一度としてお気に入りの1本を見つけることができなかった。3番ウッドだと大抵、僕はフェースの一番下で打っていた。スピンが入りすぎてどこへも行かないんだ。(BRNRミニは)3番ウッドより易しく打てるクラブなんだ。これは僕にとってティショットでフェアウェイを捉えたいとき専用のクラブだね」
1年が経ち、PGAツアーでのお墨付きが得られた今、テーラーメイドは新しいBRNRミニドライバーカッパーをリリースしようとしている。この新クラブにはオリジナルと同じテクノロジーとデザインが採用されているが、懐古趣味的な要素が強められている点がこれまでと異なっている。
90年代後半に一世を風靡したバーナードライバーの流れを汲む新BRNRミニドライバーカッパーはクラウンにカッパー調の縁取りがあしらわれ、ソール中央にはデカデカとテーラーメイドのレトロ調ロゴが配されている。標準シャフトはカッパー&ブラックにカラーリングされたUSTマミヤ プロフォース65レトロバーナーエディションで、グリップはゴルフプライド テーラーメイドビクトリーカッパーが装着されている。
昨年リリースされたオリジナルのBRNRミニ同様、新バージョンにもスプリットウェートテクノロジー、複合素材ヘッド構造、ターフの抜けが向上したKソール設計、弾道の精度を上げるツイストフェース、高初速を実現するスルースロットポケット、そして簡単にロフトとフェース角を変更できる4度のロフト可変スリーブが搭載されている。
今週はオーガスタナショナルにてメジャー初戦「マスターズ」が行われるが、長くて厳しいレイアウトへの対抗策として、出場者の何人かがこの新しいBRNRミニを実戦投入したとしても不思議ではない。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)