石川遼がカナダの地で上位進出を目指す!
2012年 RBCカナディアンオープン
期間:07/26〜07/29 場所:ハミルトンG&CC(カナダ)
佐渡充高が簡単解説!初めてのPGAツアー【第四十六回】
■ 「RBCカナディアンオープン」の歴史
1904年開催。今年で開催108年目、102回開催。世界で4番目(豪州オープンの方が歴史はあるが未開催の年がある)の歴史を誇る。1993年まで「カナディアンオープン」の名称は変わらなかったが、1994年から電話会社のベルが冠スポンサーになった。1914年までの11回中10回はカナダ人が優勝したが、1919年から2001年までの82回中、カナダ人の優勝は1954年のパット・フレッチャーのみとなっている。また大会レコードの通算22アンダーは2000年タイガー・ウッズがマークしている。
■ 期待される地元選手の優勝・・・
今年は、昨年のセントジョーズから場所を移し、ハミルトンゴルフクラブで開催される。カナダにはウエスタンタイム、セントラルタイム、イースタンタイムと、同国内での時差が3時間存在するが、1カ所で大会開催をしていると、多くの人が現地に見に行くことができない。その問題を解決すべく、ギャラリーサービスとして、現在は西海岸、中央、東海岸と、2003年から会場を毎年変えて開催することとなった。そして今年はハミルトン(トロント郊外セントラル)で開催される。この開催場所を変えるというのもいい試みだと思う。カナディアンオープンは歴史もあり、オーストラリアンオープンと同じくらいの歴史がある。これは開催回数でも分かるように、もう100年を越えている歴史長い大会。しかしこの大会、先の歴史部分でも触れているように、カナダ人の優勝が1954年のパット・フレッチャー以降ない状況が続いている。これは「日本オープン」に例えると、50年以上もの間、日本人の優勝がないという感覚に近いかもしれない。毎年、地元選手が今年こそ勝てるかどうかと毎年まず話題になる。初日、2日目の流れでなんとなく勝者が予想できるので、もし地元の選手が優勝戦線にいなくとも、ギャラリーは日々楽しみを見つけて、トーナメントを楽しんでいる。
■ カナダにもたらされた金メダル
2016年のオリンピックで、ゴルフが再び正式競技となることが発表された。これまでオリンピック競技としてのゴルフは、過去3回、開催されている(1900年のパリ、1904年のアメリカ、セントルイス、1934年のベルリン)。ベルリンオリンピックでは、ヒトラーがゴルフ好きだったこともあって、正式種目ではなく付属競技として開催された。実際に記録に残っているのは1904年の大会で、当時25歳、全米アマチャンピオンだったチャンドラー・イーガンと、カナダの48歳の大ベテラン、ジョージ・ライオンの2人による決勝戦(当時はマッチプレー)となった。優勝は若いイーガンと予想されたが、実際にはライオンが3&2でイーガンを制して優勝し、初めてカナダに金メダルをもたらした。そのメダルは、モントリオールのグレンアビーにある、ロイヤルカナディアンゴルフアソシエーション(カナダゴルフ協会)が所有する博物館に展示されている。
- 佐渡充高(さどみつたか)
- ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。