アイアンはマッスルかキャビティか 番手で変化/世界トップ50のセッティング事情
2020/05/20 10:45
高弾道でチャンスを演出する世界トッププロのアイアンショット。ピンの根元に突き刺さるようなその一打を生むアイアンの形状は選手によってチョイスが異なる。新型コロナウイルス感染拡大の影響で凍結中の男子世界ランキング50位の選手のクラブセッティングから、一流のトレンドを探ります。
ミドルアイアンは僅差でマッスル優勢
マッスルバックとキャビティバック(ハーフキャビティ、ポケットキャビティ、中空などを含む)の2つに分け、各選手のアイアン形状を調査した。
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まず7番アイアンではマッスルバック26人に対し、キャビティが24人。世界トップ10で見ると、1位ロリー・マキロイ(北アイルランド)、4位ジャスティン・トーマス、5位ダスティン・ジョンソンら7人がマッスルバック。一方で2位ジョン・ラーム(スペイン)と3位ブルックス・ケプカ、8位パトリック・カントレーがハーフキャビティを使っていた。
トップ50から今季PGAツアーのショットのスコア貢献度(ストローク・ゲインド・ティ・トゥ・グリーン)上位10人に名前を連ねる選手では、ピン「i210」でそろえる1位ティレル・ハットン(イングランド)を筆頭に4人がキャビティ。2位マキロイ、3位松山英樹ら5人がマッスルバック。ミスへの寛容性か操作性か、最上級クラスのショットメーカーたちの間でも好みが分かれるところだ。
長くなるほど“キャビティ”派が拡大 3Iマッスルは5人だけ
球を上げる難度が増す長い番手になっていくにつれ、変化が生まれる。6Iで27人、5Iでは30人がキャビティを選択。世界ランク10位のトミー・フリートウッド(イングランド)は6Iより下の番手はタイガー・ウッズと同じマッスルバック(テーラーメイド「P7TW」)を使い、5Iから上はキャビティバック(ダンロップ「スリクソン Z785」)に切り替えている。
4Iになるとキャビティが37人(4Iではなくユーティリティを入れているウェブ・シンプソンも「マッスルバック以外」としてカウント)。マキロイ、トーマス、リッキー・ファウラーらがここでキャビティを選んだ。アイアンの名手、松山は2016年にキャビティを投入した時期もあったが、直近のセッティングはマッスルバックのダンロップ「スリクソン Zフォージド」で統一している。
松山のように4Iからすべてマッスルバックの選手は13人と少数派。バッグに入れる選手が限られる3Iも含めると、ウッズ、ルイ・ウーストハイゼン(南アフリカ)、ビリー・ホーシェル、セルヒオ・ガルシア、ラファ・カブレラベロー(ともにスペイン)とわずか5人だった。