2024年 ファーマーズインシュランスオープン
期間:01/24〜01/27 場所:トリーパインズGC サウスコース(カリフォルニア州)
「G430 MAX 10K」をPGAツアー選手も使うの?/米ツアー最新クラブ事情
◇米国男子◇ファーマーズインシュランスオープン 事前(22日)◇トリーパインズGC (カリフォルニア州)◇サウスコース(7765yd)、ノースコース(7258yd、いずれもパー72)
2024年もゴルフメーカー各社から新しい製品が次々と発表されているが、PGAツアーの現場で発見した最新ギア情報をお届けしたい。話題でいっぱいのテーラーメイド「Qi10」シリーズとキャロウェイ「パラダイムAiスモーク」はさておき、今回はまだ情報が少ない(と思われる)、気になるギアをチョイスしてみた。
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ピンのツアーバン(トレーラー)で見つけたのは、「G430 MAX 10Kドライバー」(以下10K)だ。いわゆる高慣性モーメントモデルとして日本でも話題を呼んでいる。そもそも寛容性の高いモデルなので、PGAツアーに帯同するツアーバンに「10K」はないだろうと思っていたが、ツアーレップ(用具担当者)に話を向けると、意外や意外、多くのプロがテストしているというのだ。
その中にはトニー・フィナウやキャメロン・チャンプという、いわゆるハードヒッターの名前もあった。「ツアー選手でもスピードのある選手ほどハマる傾向にあります。G430シリーズのフィーリングはそのままに、速く振っても真っすぐ飛ぶから、結構気に入る選手は多い」。慣性モーメントの恩恵はヘッドスピードが速い人ほど感じるのかもしれない(そういえば、コリン・モリカワも“テーラーメイドの10K”である「Qi10 MAX」にしていたな…)。
実際に先週の「ザ・アメリカンエキスプレス」から10Kに替えたのが、2020―21年の日本ツアー賞金王であるチャン・キムだ。「スピードを出しても真っすぐ行く。スタビリティ(安定性)が半端なく良くて、結果的に飛ばせる」と即投入を決めたという。ロフトの設定は9度と立ち気味に、ウエートを前側(フェース側)とトウ側に入れる味付けで、つかまり過ぎを抑えているという。PGAツアーにスポット参戦している蝉川泰果もテスト中。同担当者は「ドローバイアスが強かったので、もう一度調整してから試してもらいます」と話した。
「アマチュアの方なら10.5度のハイロフトにして、シャフトを軽くすれば扱いやすいと思います」という、まさに万人に受けるドライバーなのだろう。「Qi10 MAX」と一緒に試してみたいところだが…。
ちなみにキムは先週、アイアンも総とっかえしていた。ピンの新しいマッスルバック「ブループリントT」からキャビティヘッドの「ブループリントS」へ変更。「Tも良かったのですが、もうちょっと打ちやすいモデルにしたいという本人のリクエストを受けて、『S』に変更しました。先週の練習日に試したところ、Sのほうが、スピンが少なくて強い球が打てると気に入っていました」。クラブをガラッと入れ替えたのが功を奏したのか、14位タイに入り、PGAツアー本格参戦2試合目にしてまずまずの結果をつかんだ。
新しいクラブの情報、また届き次第更新したい。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/服部謙二郎)