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【WORLD】R.ファウラーの初優勝を振り返る

Golf World(2012年5月23日号) texted by Jim Moriarty

“Go Time!(さぁ、行くぞ!)”というツイートが、最高の興奮に達するときが訪れた。もしその瞬間を見逃したとしても心配する必要はない。それも、きっとリツイートされるはず。リッキー・ファウラーは、ラウンド前の恒例となったメッセージを日曜日の午後1時10分に投稿。そしてその5時間後には、「ウェルズ・ファーゴ選手権」でプレーオフの末に優勝した秘訣を140字以内にまとめていた。記念すべきPGAツアー初勝利はソーシャルメディアと共にあったのだ。

彼は世界ランクトップ浮上と転落を繰り返しているロリー・マキロイ、そして俳優ビル・マレーと親交の深い35歳のベテラン、D.Aポインツとの三つ巴のプレーオフを制したのだ。

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しばらくの間、忘れ去られていた存在。それこそ23歳のファウラーそのものだった。ロックスターのような出で立ちで、殿堂入り選手のような髪型、細い口髭。さらにその周辺に生えた髭に覆われた表情が特徴的なリッキーは、ツアーに参戦した当初からポップなセンセーションを巻き起こしていた。彼のファンは皆、チカチカするネオンライトのようなド派手な格好をして、ファウラーのトレードマークでもあるフラットなつばが付いた帽子を被る。頭からつま先までトラフィックコーンを連想させるような、明るいオレンジの服装に身を包み、彼そっくりになりすますのだ。

誰もが、そんなファウラーのことを目立ちたがり屋だと思うことは想像に難くなく、デビュー直後は批判も浴びせられた。しかしながら、小説家チャールズ・ディケンズは、著書『Great Expectations(大いなる遺産)』の中で次のように記している。「見た目で判断するのではなく、証拠に裏付けられたもので判断しろ。それ以上に良い方法は無い」と。

ファウラーの周囲には、常に欠点ばかりを見つけて批判する連中が寄りつき、彼の実力を疑いつつも、太鼓判を押すような連中は少なかった。だがプロ転向後、「フライズ・ドットコム・オープン」ではプレーオフの末に敗れたが、「ザ・メモリアル」、「ブリヂストンインビテーショナル」、そして「全英オープン」で才能の片鱗を見せた。ウェールズでも貪欲にバーディを狙う姿勢をみせたことで、1つの揺るぎない信念を持った選手と評価された。それがようやく定着しつつあるのかもしれない。

今年の「マスターズ」で、ファウラーと共に、「Golf Boys」の一員であるバッバ・ワトソンがプレーオフの末に優勝した瞬間を傍らで見ていたベン・クレーン。彼は18番ホールでファウラーの勝利を祝福した。「ここからが彼のスタートだと思う。正しく、素晴らしいプレーをした僕の友達の勝利を嬉しく思う。彼の頭の中には、この素晴らしい大会、フィールドで優勝してやろうという強い気持ちがあったはずだ。最後に完璧な2打を披露して勝ったのはクールだね」。

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