M.クーチャーが逆転でツアー通算4勝目 T.ウッズは40位T
2012年 ザ・プレーヤーズ選手権
期間:05/10〜05/13 場所:TPCソーグラス(フロリダ州)
【WORLD】M.クーチャーが得た自信/ザ・プレーヤーズ選手権レビュー
Golf World(2012年5月21日号) texted by Ron Sirak
マット・クーチャーの場合、彼に対する批判はいつも同じだった。ボールをティアップした時(スタート直後)は、毎回リーダーボードに名前がある割には、勝ち星が少ないということだった。キャリアでは、45回もトップ10入りがあり、試合に出さえすれば、賞金を手にして帰っていく。だが、2002年「ホンダ・クラシック」で優勝した後、クーチャーは不振に陥っていた。ネイションワイドツアーに戻りスイング改良に努め、レギュラーツアーに復帰したのは2007年。そして2009年のターニング・ストーンと2010年バークレーズで優勝を飾った。プレーヤーズでの勝利は、もちろんキャリアでもっとも大きなタイトル獲得を意味している。
「この大会は、ツアーの中でも選手層の厚い大会だ」とクーチャーは言う。「チャンピオンとして、この場にいることが、ただただ信じられない。(クラブハウスにある)チャンピオンズ・トンネルを毎日通り、感動していた。立ち止まって、すべての写真を眺め、ジャック・ニクラスやリー・トレビノ、レイモンド・フロイド、フィル・ミケルソン、デビッド・デュバル、タイガー・ウッズといった、“ベスト・オブ・ベスト”の人物たちと一緒に、自分の写真もここに貼られるんだ…と考えずにはいられない。来年は自分の写真がその中にあるのを見ることになると思うと、素晴らしい気分になるね」。
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最終日を振り返ろう。クーチャーをまず追撃したのはレアード、続いてファウラーだった。レアードは、18番ホールのバンカーとウォーター・ハザードの間に第2打を放ち、ボギーで終えて「67」。通算11アンダーとした。そして、16番と17番をバーディとしたファウラーは、最終18番で、決めれば通算12アンダーとなった2メートルのバーディパットを外し「70」。ジョンソンとカーティスは両者共に「68」で終えて、4人並んでの2位タイとなったが、通算13アンダーまで伸ばしたクーチャーを捕らえるチャンスはなかった。
「チャンスを得るためには、3打でなんとかしなければ(バーディを獲らなければ)ならなかったのは分かっていた。そこで、素晴らしいショットを2度打てたんだ」と、ファウラーは18番ホールについて語る。「パットを少しプッシュしてしまった。一番難しいパットは、真っ直ぐ沈めること。だから逆に、少しでも曲がっているラインの方がよかった。少し手を緩めてしまった。自分がパットしようとした時に、ちょうどスクリーンにクーチャーが17番ホールでパットを外した映像が出てね、ギャラリーがそれに反応したんだ。それもあって、ちょっと調子が狂ってしまった」。
この日の午後のキーポイントは、16番パー5と17番パー3のアイランド・グリーンをつなぐ壮大な円形劇場にあった。16番グリーンからクーチャーが見守る中、ファウラーは17番で6メートルのパットを沈めてバーディとし、クーチャーに2打差に迫った。すると、クーチャーは4.5フィートのパットを決めてバーディとし、再びその差を3ストロークとした。
「リッキーの後ろをピッタリとついて回ったのは、本当にエキサイティングだったよ」とクーチャー。「本当に素晴らしかった。ファウラーがちょうど自分の方に向かって、真っ直ぐパットをしてくるような角度から見ていたから、ボールがカップに消えて、彼が大きく拳を突き上げる姿も見えた。あのパットで2打差になって、18番で彼がバーディを決めれば1打差に迫られることは分かっていた。そうなれば、18番ホールで自分がどうアプローチし、どうプレーするか、その全シナリオが変わっていたかもしれない。だから、16番でバーティを取れた時は、本当に興奮したよ。あれは大きかった」。