【WORLD】ライダーカップ史上最も名高いショットは、実際には打たれたものではない
2012年 ライダーカップ
期間:09/28〜09/30 場所:メディナカントリークラブ(イリノイ州)
【WORLD】欧州選抜の強さの秘密とは/ライダーカップ
Golf World(2012年9月17日号) texted by Cart Sumpson
エステポナで過ごしていた期間、私の夜はいつもだいたい1.64ユーロの赤ワイン、それにガスパッチョをつまみながらDos Hombres y Medio、スペイン語版シンプソンズを見る日々を過ごした。奇妙な土地、奇妙なホテルに滞在し、携帯、カメラ、現金を合わせて1000ドル相当の盗難に遭う始末だった。明らかに部屋のロックに問題があるにも関わらず、ホテルの経営者は問題解決にまるで協力的でなかった。
トーナメント最終日、コルサーツとマクドウェルの決勝戦が始まる前、私は9番ティの近くにあった静かなテントを覗いていた。そこにはボルボの素晴らしい車が列になって並んでおり、誰かが最新式の歩行者回避システムを試してみるかと話しかけてきたので、快く「ええ、是非」と答えた。私は赤いV60セダンのシートに座ったが、ついついシートベルトを締めるのを忘れてしまっていた。車は人(ダミー人形)を感知すると強くブレーキがかかるようプログラミングされており、そのおかげで私は額をダッシュボードに強く打ちつけてしまった。
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とはいえ、ようやく終わった欧州ツアー視察。自分が何を見て、何を感じたのか、以下は自分の考えを交番でまとめたものだ。
◆平均飛距離316ヤードを記録したコルサーツは、史上最長のストレートヒッターかもしれない。またマクドウェルも極めて根性のあるタイプの選手。結果的にニコラスが優勝トロフィー、賞金70万ユーロを獲得したが、両選手共にメダイナではアメリカ代表にとって手強い相手となるだろう。
◆毎試合見て思ったことだが、勝者と敗者が互いを称えあい、一方の勝利を祝福し、一方を心から勇気づける姿を見た。行動を共にしていることで友情を育んでいるのだろうが、家族同然の良いパートナーシップを結べば、それがゴルフに結果として反映されるのだろうか?この問いにはヨーロッパツアーでキャリア22年を誇るベテランのマーク・ロー(現在はインストラクター兼コメンテーター)が答えてくれた。「こちらのツア―の方が少しばかり楽しめる。仲間との絆が生まれれば、打ち負かす云々よりも深い感情が芽生えるようになる」と。
◆フィンカコルテシンでの気候は、焼けつくように暑い日もあれば、急激に気温が下がる。雨が降ったかと思えば強風が吹きすさぶというように変化に富んだ。気候条件の急激な変化への対応こそ、ヨーロッパ代表がライダーカップで強い要因なのだろうか?コルサーツは「Yes」と返答し、「僕らは自分達の調子を簡単に崩すようなことはないから」と続けた。
◆最後の難問。大陸を渡りアメリカ大陸に押し寄せた当時から残る、彼らの少しばかり横柄な態度は、ワトソンがフランスで失態を演じた時に垣間見ることができた。しかし、ヨーロッパ勢はアメリカの倍勝っているといっても、アメリカを過小評価する振る舞いこそ自分達にとって不利になると分析している。「相手を軽んじる試合は余計に厳しいものになる」と、ローズはヨーロッパ代表に苦言を呈した。
このようなアイディア、つまり並な部分と優れた部分とを合わせ持つ相手は、恐れるに足りずとは決して言えないのだ。
米国ゴルフダイジェスト社提携
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