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2020年 マスターズ
期間:11/12〜11/15 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)

進藤大典 PGAツアー・ヤーデージブック読解

パー5の2打目でショートアイアンも デシャンボーがマスターズを変える?

オーガスタナショナルGC 2番パー5 (575yd)

ゴルフの祭典と称される「マスターズ」が12日(木)に開幕します。コロナ禍にあって、11月開催もパトロン不在も大会史上初めてという異例の4日間。見慣れない秋のオーガスタとともに注目されるのが、9月の今季メジャー初戦「全米オープン」を自慢の飛距離で制圧したブライソン・デシャンボー選手のプレーでしょう。規格外のパワーが新たな攻略法を生み出すのか――。3つのホールをピックアップします。(解説・進藤大典)

84回を迎える大会で勝ち方はさまざまですが、デシャンボーによって、「マスターズ」は新たなステージに突入するかもしれません。彼の追求するスタイルがオーガスタナショナルGCに“はまる”とすれば、ライバルたちにとって、これ以上ない脅威になってくるはずです。

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池が絡むホールも多く、獲りたいホールが獲れないと、どんどんゲーム展開が苦しくなるのがオーガスタの難しいところ。4つあるパー5でのボギーやダブルボギーは、絶対に避けなければいけません。それを徹底したのが2007年のザック・ジョンソン。すべてのロングホールでレイアップを選択する堅実なマネジメントを貫き、大会を制しました。

最初のパー5となる2番をチェックしてみます。この2番、さらに次の3番と序盤の中でも特にスコアを伸ばしていきたいホールです。

フェアウェイの真ん中が一番高くなっていて、それより左は林の中を走るクリークへとボールをいざなうように下っているのがポイントです。右の林はもちろん、深いフェアウェイバンカーもNG。それらを警戒してレイアップを選ぶ選手もいます。ティショットを幅に収める精度が求められ、神経を使います。

左ピンのときはグリーン右のバンカー手前に刻むのがバーディの近道、といったセオリーはあります。ただ、厄介なフェアウェイバンカーを“無視”できれば、攻略ルートはもっとシンプルになります。

10yd弱の打ち下ろしを計算に入れ、必要な飛距離はキャリーで310ydほど。バンカーを越えた先のフェアウェイの幅は一気に80ydほどまで広がりますから、ティショットにかかるプレッシャーは、かなり少なくなります。

フィル・ミケルソンがこの大会に向けてシャフト47.5インチの1Wをテストして話題を呼んでいますが、オーガスタを熟知している選手ほど、このバンカーを越える意味を知っているのです。

ティイングエリアから左の木もやや気になるとはいえ、ドローヒッターのデシャンボーにとっては比較的イージーなアングル。バンカーを飛び越えたボールは傾斜で残り150ydくらいのところまで転がり、パー5のセカンドで握るクラブがPWや9Iといった信じられない光景が見られる可能性もあります。

進藤大典(しんどう・だいすけ)
1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。

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