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米国男子セントリートーナメントofチャンピオンズの最新ゴルフニュースをお届け

2022年 セントリートーナメントofチャンピオンズ
期間:01/06〜01/09 場所:カパルアリゾート・プランテーションコース(ハワイ州)

進藤大典 PGAツアー・ヤーデージブック読解

“グリーンブック”禁止 未知のコースこそ腕の見せどころ?

みなさま、あけましておめでとうございます。2019年に始まった「PGAツアー・ヤーデージブック読解」のコーナーも、いよいよ4年目に突入。ファンの方々にとっては、コロナ禍で以前のように海外ツアーをなかなか現地観戦できない状況が続いているのではないでしょうか。少しでもホットな話題をお届けできるよう、僕も仕事で会場を訪れるときは全力で取材してくるつもりです。2022年もよろしくお願いいたします!

PGAツアーは、今年もハワイ州マウイ島で行われる「セントリートーナメントofチャンピオンズ」からスタート。キャメロン・スミス(オーストラリア)が世界ランキング1位ジョン・ラーム(スペイン)とのがっぷり四つの戦いを制しました。優勝スコアは、なんと34アンダー! 2003年にアーニー・エルス(南アフリカ)がマークした大会レコードを塗り替え、1950年以降のPGAツアーで最多アンダーパー記録を樹立しました。

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この試合の注目ポイントのひとつは、新たに採用されたローカルルール。グリーンの傾斜や高低差を記した、いわゆる“グリーンブック”の使用が禁止となりました。

このグリーンブック、僕が松山英樹選手のキャディとしてPGAツアーに参戦して間もなかった2014年ごろは、いまよりも大雑把なタイプが出回っていたと記憶しています。以降、さまざまなハイテク機器を駆使してデータを集めるようになり、最新版はそれこそ1yd刻みの情報が詰まった詳細なものへと進化を遂げていました。

選手やキャディはもちろん、アナリストも含めた大会関係者の大きな助けとなっていたのは事実です。それでも最後に勝負を決めるのは、トッププロの研ぎ澄まされた技術と感性。もっとも多用していたであろう選手はブライソン・デシャンボーですが、グリーンブックの禁止で彼のパットが入らなくなるとも思えません。

キャディ目線で考えると、特に初めてのコースでプレーするときの仕事量に変化が生じる可能性はあります。かゆいところにも手が届くようなグリーンブックが入手できるようになり、グリーンの傾斜の形状を覚えなくても良くなったことで、下調べの労力はかなり軽減されていましたから。

以前はホームセンターなどで買った水準器(これも新ルールでは違反となります)をコースへ持ち込み、グリーン上の全ての傾斜に置いてメモに数値を書き込むところからスタート。さらにカップの位置を予想し、そこに向かって四方八方からボールを転がして自分の目でチェック。ハーフ9ホールで4時間くらいかかることも珍しくなかったですし、グリーンの情報収集だけでも本当に一日がかりでした。

実際、キャディとして足で稼いだ情報を選手に伝える上でも便利だったグリーンブック。最近はトーナメントの解説席に座る仕事も増えましたが、これを手元に置いてグリーン形状を把握できれば、選手の狙いも見えてくるものです。

裏を返せば、今後未知のコースで効率的に情報を拾い上げ、どれだけ選手のサポートに役立てられるかはキャディの腕の見せどころかもしれません。キャディ仲間の仕事ぶりの変化なども取材してお伝えしていけたらと思っています。(解説・進藤大典)

進藤大典(しんどう・だいすけ)
1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。

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