2024/07/21全英オープン

出発<きょうの一枚>フォトグラファー今井暖

出発前から当たる確率が高そうな天気予報サイトを検索して、スコットランド・トゥルーンの週間天気を見ることがここ1カ月の日課となった。出発が近づくにつれて予報が固まってくるのが普通なのだが、毎日のように4日間の予報がコロコロ変わる。一日の中にも四季があると言われるほど、ここスコットランドの天気は変わりやすいのだろう。 練習日から雨が降ったりやんだり、風もこの時期のスコットランドらしくクラブ選択に影響を及ぼすほどの、いかにも「全英オープン」という天気が続いた。迎えたムービングデーは、予選ラウンドに吹いていた強風がおさまり、朝から陽が差すほどの好天。期待していなかった分、足取りも軽くコースに飛び出して...
2024/07/23全英オープン

記念撮影<きょうの一枚>フォトグラファー今井暖

一日の歩数がスマホで見られるようになり、ゴルフというスポーツのフィールドの広さを改めて実感するようになった。コースによってまちまちだが野球やサッカーなどの屋外メジャースポーツと比較しても圧倒的に広い。特にリンクスでは先が全く見えないので時に絶望すら感じる。 4大メジャーの最後の優勝者が誕生する日曜日の朝。たくさんのフォトグラファー、ビデオグラファーがカメラと合羽、あと少しのおやつをポケットに入れて広大なリンクスに飛び出していく。スタートホールに向かう者、お気に入りのロケーションがあるホールを目指す者。向かう場所はそれぞれ違えど、夕方には各々の任務を終え18番ホールのグリーンに向けて最後の力を振...
2024/07/24全英オープン

記憶<先週の一枚>フォトグラファー今井暖

歳を重ねていくとかつての記憶がおぼろげになっていく。人間の脳にとどめておける思い出の量はある程度決まっているようだ。20数年前、バックパックを担いで訪れたここヨーロッパの景色も少しずつ薄れていっている。 写真を残す事は人生の記録でありながら、時には記憶を呼び起こす手助けにもなる。みんなが写真を撮るようになった昨今、その瞬間や場面を記憶しようとする事よりもスマホで撮ることに夢中になりがちだ。 ロイヤルトゥルーンの名物ホール、8番グリーンの脇にコースを見渡せる丘がある。フォトグラファーたちが立ち寄るお決まりの場所だ。撮影を終えて移動しようとすると外国人親子が丘を上がってきた。フォトグラファーである...
2024/07/14アムンディ エビアン選手権

望郷<きょうの一枚>フォトグラファー今井暖

生まれ育った街が海のすぐそばだからだろうか。時間に余裕ができると海や湖などの水辺に向かう習性が昔からある。 好きなゴルフコースを挙げたとしても、グリーンの速さや難易度、戦略性の高さといったことよりも、真っ先に出てくるのはいつもシーサイドコース。理由は単純。気持ちがいいからだ。 エビアンリゾートGCはほとんどのホールから湖を臨むことができる。湖であるがゆえ潮がなく、湿度も低いので、元々鮮やかな色がより一層「映え」てレンズに飛び込んでくる。コース自体が丘陵の中に作られており、高台から見下ろす景観はまさに「メジャー」だ。 フランス国旗が現すように、この国の人々は特に色彩にこだわりを持っている気がする...
2024/07/13アムンディ エビアン選手権

ENERGY<きょうの一枚>フォトグラファー今井暖

◇女子メジャー第4戦◇アムンディ エビアン選手権 2日目(12日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6523yd(パー71) 女性アスリートを撮影する機会が多くなってきたのは、世の中で女性の活躍する機会が増えてきたことと無関係ではない。ゴルフシーンにおいても試合数、賞金額、テレビの視聴率、どれをとっても男子ゴルフに引けを取らない。特に日本においてはむしろ大きくリードしている。 初めての海外女子メジャートーナメントの現場にいると、選手だけでなくギャラリーやボランティアスタッフ、メディアの数も女性が上回っている気がする。コースの中でもメディアセンターでも、我々男性メディアはそのエネルギーに押され...
2024/07/12アムンディ エビアン選手権

舞台<きょうの一枚>フォトグラファー今井暖

◇女子メジャー第4戦◇アムンディ エビアン選手権 初日(11日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6523yd(パー71) ゴルフトーナメントのクライマックスは、ほとんどの場合最終ホールである18番のグリーンがその舞台だ。 18番ホールの設(しつら)え方がそのトーナメントの意思を表していると言っても言い過ぎではない。煌(きらび)びやかな装飾、巨大なスクリーン、そびえ立つギャラリースタンド。主催者がグリーンを中心にそれぞれのアイデンティティをそれぞれのカタチで示す。 初日の朝、昇ってくる太陽とともに18番グリーン脇に立ってコースにレンズを向けるのは僕の一つの楽しみだ。もちろんいつも運よく日の出...
2024/07/15アムンディ エビアン選手権

まとう <きょうの一枚>フォトグラファー今井暖

空から聞こえてきたヘリコプターの音がセレモニー開始の合図だった。このトーナメントのシンボルカラーであるピンクの煙とともに見覚えのある白と赤の旗、日の丸が降りてきた。ヘリから飛び降りたスカイダイバーが日の丸を今回のチャンピオン古江彩佳に渡すべく、地上に降り立った。受け取った国旗を身にまとうと、ほどなくして18番グリーンに君が代が響き渡った。 今週コース内の至る所で日の丸が振られるのを見かけた。日本から遠く離れた異国の地で戦う彼女たちを何度も勇気づけたことだろう。地元フランスの選手に送られる声援と変わらないくらい、日本人選手に向けられた声援は大きいものだった。 オリンピアンを目指すのは日本でスポー...
2024/07/17アムンディ エビアン選手権

花と華<先週の一枚>フォトグラファー今井暖

日々の暮らしの中に花があると少しだけ心が豊かになった気がする。いや少しではない。玄関先や窓際、キッチンの片隅。ほんの少しの量の花でも僕たちの人生を明るく華やかにしてくれる。毎朝フランスの街並みを横目にゴルフ場へ向かう道中、朝日に照らされた家を彩る花々を見ていると疲労で重くなり始めた足取りも軽くなる。 ゴルフコースの設計上コースを装飾するものの重要度はおそらく低い。ハッキリ言って戦略性とは無関係だ。しかし写真や映像に残すとなるとその立場は逆転する。僕たちフォトグラファーだけでなく、人はキレイなものに出会うとそこにレンズやスマホを向けてしまう。戦略性の高いコースや難解なグリーンをなかなか写真に収め...
2024/07/19全英オープン

自然<きょうの一枚>フォトグラファー今井暖

◇メジャー最終戦◇全英オープン 初日(18日)◇ロイヤルトゥルーンGC(スコットランド)◇7385 yd(パー71) 神が創造した自然。その自然を相手に己の力を試す。ゴルフを形容するときによく使われるのがこのフレーズだ。 相手に左右されず自分自身でスコアを作っていくという競技の特性を端的に表している。相手のスコアは関係なく、己や自然と闘うことこそこのスポーツの醍醐味である。 世界最古のオープントーナメントである「全英オープン」は自然と闘うことをこれでもかというくらい押し出してくる。降り続ける雨、止むことのない風、体の芯まで冷やす気温。 他にも伸びっぱなしのラフや一度での脱出を許さないポットバン...
2024/07/20全英オープン

追い風<きょうの一枚>フォトグラファー今井暖

◇メジャー最終戦◇全英オープン 2日目(19日)◇ロイヤルトゥルーンGC(スコットランド)◇7385 yd(パー71) 4月の静岡・御殿場で開催されたDPワールドツアーに参戦した川村昌弘。その試合を撮影した僕は、このコラムで彼のことを書かせてもらった。自分の中ではひと区切りのつもりだったが、彼の活躍は僕の想像を上回り、ここロイヤルトゥルーンまでたどり着いた。 初日を終え、上位進出も狙える位置で2日目をスタート。ティオフしたのは午後4時過ぎの最終組。スコットランド特有の長く、晴れ渡った午後が始まった。強風が吹くなか全体のスコアがどんどん落ちていく。つまり、スコアを伸ばさずとも耐え続ければ、週末...
2020/10/22国内女子

157cmの壁『申ジエ』 富士通レディースの一枚

にとって、自分の力を測ることが出来る物差しがすぐ近くに存在する。157cmの巨大な壁を突き破ったとき、本当の「黄金時代」がやってくるだろう。(フォトグラファー・今井暖)
2020/09/07国内男子

音がない 今週の一枚:フジサンケイクラシック

。 忘れないでほしい。この試合に向けて自分が考え、取り組んできたことを。そして、時には思いをはせてほしい。2020年のフジサンケイクラシックが大切なことを思い出させてくれたトーナメントだったということを。(フォトグラファー・今井暖)
2022/04/13マスターズ

This is MASTERS 今週の“一枚”:マスターズ(後編)

に戻ってくるのだと納得する。 レンズに映る緑のフェアウェイと青い空、真っ白なキャディビブス、そして黄色いピンフラッグ。選手もフォトグラファーもいつの日か自分自身が納得できる長い1日を過ごすためにまたここに戻ってくるのだろう。This is MASTERS。(フォトグラファー・今井暖)
2022/04/12マスターズ

遥かなるオーガスタ 今週の“一枚”:マスターズ(前編)

映画館のスクリーンのような窓ガラスの向こう側、整えられた緑の芝と黄色いフラッグが僕をさらに煽ってくる。今すぐ写真を撮りたい。欲張って多めに持ってきたスチールカメラとレンズを抱えて、まだトーナメントが始まってもいないコースへ足早に向かった。(フォトグラファー・今井暖)
2022/04/06オーガスタナショナル女子アマ

支えるということ 今週の一枚:オーガスタナショナル女子アマ

。そんなキャディの支えをすぐそばで見ながら、感じながらプレーする彼女たち。この先プロゴルファーになったとしてもオーガスタナショナルでプレーしたことと、支えてくれた人への感謝の気持ちはその柔らかなハートに深く刻まれている。(フォトグラファー・今井暖)
2021/09/06国内男子

一進一退:フジサンケイクラシックの一枚

見えないところにボールを打つのは不安しかない。しかし彼らは迷わず振った。今の自分の位置を知るために。そして少し前の自分を超えていくために。(フォトグラファー・今井暖)
2021/05/31国内女子

リスタート:リゾートトラスト レディスの一枚

ホールアウトという予期できないリスタートとなった。 残念ながら予選通過とはならなかったが、これからは頼もしいパートナーと愛息を寝かしつけてから、今までよりも少しだけ小さめの声で反省会を開けばいい。(カメラマン・今井暖)
2023/09/20国内男子

匂い<先週の一枚>ANAオープン

その熱があった。世の中の事象全てに波は存在する。ほんの小さなうねりからいくつもの要因が重なり合って、やがて怖くなるくらいのビッグウエーブを生む。2023年、その匂いは漂い始めた。(フォトグラファー・今井暖)