「全英オープン」最終成績の一覧
2021年 全英オープン
期間:07/15〜07/18 場所:ロイヤルセントジョージズGC(イングランド)
全米プロも全英も初出場V コリン・モリカワが胸に刻むケプカの言葉
◇メジャー第6戦◇全英オープン 最終日(18日)◇ロイヤルセントジョージズGC(イングランド)◇7189yd(パー70)
恐れを知らぬ若者が、穏やかなコンディションに終始したリンクスコースを圧倒した。コリン・モリカワが初出場の全英を制し、昨年「全米プロ」に続いて大会デビュー戦で2つのメジャータイトルをつかんだ史上唯一の選手になった。「僕はこの瞬間を楽しんでいただけだった。『チャンピオンゴルファー・オブ・ザ・イヤー』なんて、聞いただけでゾクゾクするね」。クラレットジャグに名を刻んだ24歳は人懐っこい笑みを浮かべた。
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1打差2位から、ルイ・ウーストハイゼン(南アフリカ)と2日連続の2サム最終組。7番(パー5)で最初のバーディを奪うと、8番もカップをかすめるようなセカンドでバーディ。9番もミドルパットを沈めて3連続とし、付け入るスキを与えずに抜き去った。
パーパットもバーディパットも、勝負どころでことごとく微妙な距離を沈めたグリーン上。パットのスコア貢献度を示すストロークゲインドではシーズン172位に低迷しているが、「10フィート(約3m)以内は、間違いなく最高のレベルだったと思う。僕は統計的にパターが得意じゃない。でも、試合中はスタッツのことなんて忘れる。きょうは最後までやり遂げることができた」とうなずいた。
25歳を前に複数のメジャータイトルをそろえたのは過去100年で8人目。さらにキャリア通算メジャー8試合目での2勝はジーン・サラゼンの4試合、ウォルター・ヘーゲンの6試合に次ぎ、ボビー・ジョーンズとジム・バーンズに並ぶ。ほかの4人は1920年代までに達成された記録。近年では類を見ないスピードだ。
プロ転向から間もなかった2019年「トラベラーズ選手権」でブルックス・ケプカの「勝つためにここへ来た」という言葉を聞き、甘さを自覚した。「それまでは予選通過するために出場していた。その日から『勝ちにいこう』と切り替えた」。ビッグネームとの競り合い、初めてのコース、あらゆるものにひるまず挑めるようになった。
昨年は優勝した全米プロを含めて無観客の試合がほとんど。1日当たり最大3万2000人を動員した最古のゴルフトーナメントで、その強さを証明した。(イングランド・サンドウィッチ/亀山泰宏)