ややこしい北アイルランドの優しいゴルフ事情 マキロイを生んだ里
2022年 全英オープン
期間:07/14〜07/17 場所:セントアンドリュース・オールドコース
マキロイ歴史刻めず「奮い立たせて戻ってくる」
◇メジャー第4戦◇全英オープン 最終日(17日)◇セントアンドリュース オールドコース(スコットランド)◇7297yd(パー72)
18番グリーン手前から打ったアプローチショットはカップをかすめることなく通りすぎ、その瞬間、ロリー・マキロイ(北アイルランド)の第150回大会での全英2勝目の夢はついえた。トップと2打差。追いつくためにはイーグルしかなかった。「いいショットを打ったんだけどね…」。狙った一打でとらえきれず、2打差の通算18アンダー3位に終わった。
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サンデーバックナインに入った時点で後続に2打差をつけてトップの座を堅守していた。「いいパットは打てていた。ただ、(カップに)沈まなかったんだ」。スコアが動かないまま13番、14番、15番…と進み、迎えた難関17番で2打目を4.5mにつけたが、無常にも2パットのパー。18番のティイングエリアに立ってクラブを握った時には2打のビハインドになっていた。
「当然、がっかりした。今日は悪くはなかったけど良かったわけでもない。自分を信じることができなかったホールがあった。14番でキャム(キャメロン・スミス)が19アンダーになって、何とかしないといけないことは分かっていた」
2014年7月の「全英オープン」を制し、連覇がかかった当地での15年大会はサッカーによるけがのために欠場を余儀なくされた。5年ぶりの「ゴルフの聖地」の大会でアーノルド・パーマーやジャック・ニクラス、タイガー・ウッズら、レジェンドが築いてきた歴史の1ページに自らの名前を刻むはずだったが、かなわなかった。
「いつでも輝かしい場所に行くためには失敗と挫折を振り返り、向き合わなければいけない。きょうもそのひとつ。また自分を奮い立たせて戻ってこられるように信じてハードワークを続けたい」
今週泊まっていた部屋からは18番ホールに設置された黄色いスコアボードが見えていたという。「外に出る度にそのリーダーボードのトップに“McIlroy”の名前があることを思い描いていた」。描いた夢は、次の勝利のチャンスまで胸にしまい込むことになった。(スコットランド・セントアンドリュース/石井操)